重賞競走に格上げされて6年目だが、それ以前から中山競馬場芝2000mを舞台に行われているレースで、
秋華賞を目標とする馬にとっては重要な
ステップレース。現在では上位3着以内に同レースへの優先出走権が付与される。
重賞競走に格上げされる前の5年間は3番人気以内馬は1勝2着2回のみだったのに対して近5年間で1番人気馬は2勝2着1回3着1回。2番人気以内馬が4勝と堅調傾向にある。開幕週とはいえスタート直後とゴール前に急坂が待ち受ける厳しいコースで、馬齢重量の重賞競走。基本的には実力馬に有利な舞台設定だ。
ソダシ、
ユーバーレーベン、
サトノレイナスの名前こそないが、3勝馬が3頭に不敗の連勝馬もいて、既成勢力に挑戦状を叩きつける馬を探すレースだ。
◎
ホウオウイクセルは
フラワーカップの優勝馬。
フェアリーSで前半の半マイル46.8秒というハイペースを経験していただけに、同49.7秒、前半1000m61.8秒のスローペースだった
フラワーCではやや力むシーンもあったが、しっかり我慢して最後はインから抜け出した。
馬格のない馬だけに1ハロンの延長というよりも、2度の坂越えが課題となりそうだが、抜け出して最後は流した
フラワーカップのラスト1ハロンが12.2秒。レースラップが11.9秒→11.8秒の
フェアリーSも最後は大外から差を詰めており、坂は苦にしないタイプと判断した。成長した馬体を見たい1頭だ。
〇
ファインルージュは
フェアリーSの勝ち馬で、
桜花賞3着馬。GI競走の大舞台で
ソダシや
サトノレイナスと差のない競馬をし、
桜花賞で先着を果たした
アカイトリノムスメが
オークス2着なのだから、その能力は世代屈指だ。
フェアリーS、
桜花賞ともに速いペースに戸惑うこともなく、最後は鋭く追い込んできた。一連のレースを見る限り、完成度の高いマイラーという印象で、
オークスは距離が長かったか。2000mはギリギリかもしれないが、このメンバーに入れば「格」が違う。
▲
スルーセブンシーズは、
ミモザ賞の優勝馬。デビューから3戦連続して最速の上りタイムを繰り出して3戦2勝3着1回。スタートダッシュに課題を残す馬だが、コーナーワークが巧みで、長く良い脚を使う。抽選を突破して挑んだ
オークスは距離も長かったのかもしれないが、直線の長いコースで持ち味を発揮することができなかった。
それでも最後は差を詰めたのだから立派だった。坂を上がってから豪快に伸びた
ミモザ賞は強く印象に残る。過去2勝をあげている中山コースで見直したい。
コーナーを4回まわるコースで、開幕週に行われる多頭数競馬。速い時計に対する対応力とレースセンスが問われる。
フローラS2着△
スライリーは一瞬の脚には欠くものの中山競馬場で向きの先行力を持ち合わせ、△
メイサウザンアワーも昨秋の
赤松賞は
アカイトリノムスメから0.2秒差2着。春のクラシックは縁がなかったものの、その実力は侮れない。最後にデビュー戦から2戦連続して33秒台の末脚を発揮した△
エクランドールのレースぶりに注目したい。