写真は
カレンモエが初めて栗東トレセンにきた日のものです。
父は
ロードカナロア、母は
カレンチャン。かつて、安田隆行厩舎で2頭横に並んで過ごし、ともに戦ってきたまさに僚馬の結晶だけあって、彼女が競走馬になった、というだけでニュースになるほどでした。
ただ、当時はまだ弱々しくて、本当に競走馬になれるのか、どこまで成績が伸ばせるのかは正直疑問だらけでした。いわゆる人気先行の血統馬に終わる可能性もあったし、はじめてトレセンにきた段階ではそうなっても不思議ではないな、という印象もぬぐえませんでした。もちろん、すごくすごく期待をしていたのですが、正直なところ当時は抜きんでた素質を感じさせるものはなかった、というかんじであったのは否めませんでした。
それがいま、これほどたくましく強くなるとは。
カレンモエの成長は、本当に嬉しいばかりです。
重賞では2着が続いていて、めちゃめちゃ惜しい…。
「重賞まであと一歩なんです。勝ち星が欲しいです」と安田隆行師。
ホント、どれもいいレースをしているし、勝ち馬との力量の差はあまり感じられません。この
セントウルSはなかなか手ごわい相手が揃いましたが、前哨戦なので
ピークには仕上げてないはず。
父も母も戦いながら強くなっていき、古馬になってその才能が開花しました。モエさんの“その時”が今回でもおかしくないとみています。
(取材・文:花岡貴子)