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【白山大賞典回顧】水の浮く不良馬場を味方に逃げ切りメイショウカズサ/斎藤修

  • 2021年09月23日(木) 18時00分
 前日は晴れ・良馬場で行われていた金沢競馬場だが、この日は第1レース前から雨が降り続き、ときおり視界があまりきかないほど降りが強くなることもあった。それゆえ稍重でのスタートも、第2レースには重、第4レースでは不良と馬場状態が急激に悪化。水が浮くほどの馬場状態は、結果に少なからず影響したと思われる。

 これといった逃げ馬がいないなかで、迷わずハナをとったのはメイショウカズサ。2番手にスワーヴアラミスで、直後にその他中央勢と船橋のミューチャリーらがほぼ一団で続いた。

 隊列に大きな変化はなく、向正面に入って徐々にペースが上がると、ついていけなくなった地方馬が順に脱落。3コーナーあたりでは中央のヴェンジェンス、さらにヒストリーメイカーも遅れだした。

 メイショウカズサが後続を寄せ付けないまま逃げ切っての勝ちタイム2分10秒3は、2018年にグリムが53kgという軽量で記録したコースレコードを1秒1も短縮するもの。3馬身離れての2着争いは、単勝3〜4倍台の人気上位3頭で、外をしぶとく伸びたミューチャリー、クビ差でスワーヴアラミス、内を突いたマスターフェンサーが半馬身差という順で入線した。

 レースの上がり=逃げ切ったメイショウカズサの上がり3Fが36秒3で、接戦の2着争い3頭の上がりも36秒台前半。先行有力勢は直線ではどの馬も脚色が一緒になってしまった。雨の不良馬場ではよくありがちな、前は行ったまま、脱落した馬たちは実力差以上に着差がついてという結果だった。

 メイショウカズサは昨年、未勝利から3勝クラスまで4連勝でオープン入りしたが、オープン特別や重賞では3戦大敗が続いた。しかし、今年小倉ダート1700mで行われたプロキオンSが雨の重馬場となってレコード勝ち。2勝クラスを逃げ切ったとき以来、約1年ぶりに手綱をとった川田将雅騎手の逃げという好判断に加え、脚抜きのいいスピードの出やすいダートも合っていた。

 ミューチャリーはダートグレードでの勝ち星こそないものの、GI/JpnIで3着1回に4着3回。一線級相手の好走はほとんどが直線切れる末脚を生かしてのもの。水の浮く不良馬場ではその持ち味を生かすことができず、2着争いから抜け出すのがやっと。それでも外を回して2着確保は、この馬には初騎乗でも、地元吉原寛人騎手の好騎乗だった。

 スワーヴアラミスは、エルムSを制したときが道中ほとんど追い通しながら直線で差し切ったように、ズブいが追って追ってバテないタイプ。マスターフェンサーも地方の長距離で長く脚を使えるタイプ。両馬とも最後までバテずに食い下がり、水の浮く不良馬場でも持ち味は発揮した。マスターフェンサーは前走マーキュリーCも58kgで強い勝ち方を見せたが、2着争いに屈しての4着は、この馬場ではさすがに斤量が影響したかもしれない。

 今年この金沢が舞台となるJBCクラシックへ向けてということでは、賞金を加算できなかったマスターフェンサーJRAの出走枠に入れるかどうか微妙なところ。一方、地方馬ゆえ出走はほぼ確実と思えるミューチャリーは、得意の末脚が生かせない馬場状態での2着は収穫といえそうだ。

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