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【毎日王冠】安田記念と同じく「砂でソフトな最終追い」ダノンキングリーが貫禄を見せる!/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年10月08日(金) 19時15分
 安田記念でGI初制覇を成し遂げたダノンキングリー。デビュー3連勝で制した共同通信杯を皮切りに、毎日王冠中山記念と3度の重賞勝ちがありながらも…。とりわけ惜しかった日本ダービーのクビ差2着をはじめ、これまで不思議とGIには縁がなかった。

 GIでは壁があるのか? そう思わざるを得ない時期も正直あった。実際にGIIまではめっぽう強いのに、GIだと少し足りない――。過去に同様の蹄跡でGIホースになれなかった馬を数多く見てきた気がする。

 ではなぜ安田記念では成し得ることができたのか? 臨戦過程は前年天皇賞・秋の惨敗(12着)から7か月ぶり。休み明けの好走歴が多い馬とはいえ、休養期間としてはデビューから最長だったのだが…。

 鞍上は初コンビの川田。大きな変化を起こした要素とすれば、古馬になった4歳時以降は逃げた大阪杯(3着)しかりで、前々での競馬スタイルが多かったのに対し、久々に直線一気の戦法を取ったことが挙げられる。

 レース後に鞍上は「返し馬では正直、あまりいい感じではなかったのですが、その後もいろいろ対応しながら、競馬までの時間を過ごした」と。返し馬からゲートが開くまでのわずか10分程度という限られた時間に、勝敗の肝となる英断がなされたのだろう。

「ジョッキーがこの馬の短所を殺して、長所をうまく引き出してくれた」とは萩原調教師の弁。勝因は鞍上が馬の“持てる力を引き出した”ことに尽きようか。

 ここで改めて当時の調教過程を詳細に振り返っておきたい。当時の最終追い切りは南B(ダート)。通常だと負荷があまりかからない=サラッとした微調整に適するとされるコースだが、ダノンキングリーにとっては初のケースでもあった。他にもレースの3週前に坂路で1本時計(4ハロン57.3-13.8秒)を出してから、南ウッドで本追い切り(5ハロン66.8-12.5秒)の“1日2本追い”を課すなど、類を見ない調教過程で迎えた実戦であったことを今さらながら感じている。

 対して今回は真逆の「正攻法の調整」が目を引く。8月20日の帰厩後は坂路の登坂回数はゼロ。1週前まで追い切りはすべて南ウッドで行い、最終追い切りだけ安田記念時と同じ南Bでソフトに追われた。「順調にきています。前回よりも感じはいい」と話す萩原調教師の言葉にも自然と重みを感じてしまう。

 8番人気で制した安田記念から4か月。毎日王冠中山記念を勝った時とほぼ同じレース間隔だけに、ダノンキングリーにとってはお手のものだ。今回は人気を集める中で、堂々と、いや貫禄すら漂う走りを見せてくれることだろう。

(美浦のイレブン野郎・立川敬太)

東京スポーツ

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