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ディアドラのような成長曲線を描くアールドヴィーヴルにラスト1冠“逆転V”の期待/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年10月13日(水) 21時12分
 アーモンドアイクロノジェネシスデアリングタクトと直近3年の秋華賞は、オークスからの直行馬が優勝。ひと昔前は「亜流」とされたこのローテーションも、今や完全に“市民権を得た”感がある。

 一方で、春の2冠で涙をのんだ馬たちが、使いながら地道に力をつけ、ラスト1冠で逆転Vを成し遂げる――。そんなサクセスストーリーに胸を熱くするファンも少なくないのではないか。もちろん、かく言う記者もその一人だ。

 記憶に新しいのは2017年の秋華賞桜花賞が6着、オークスは4着に敗れたディアドラが、夏からの連勝(HTB賞紫苑S)の勢いそのままに京都で大輪の花を咲かせた年である。

「春までコンスタントに使っていましたから、普通の牝馬ならガタッときてもおかしくない。だけど、ディアドラはそこから夏場も使いながら、さらに良くなっていったんです。本当にすごい馬ですよ」(村井助手)

 非凡な成長力が逆転戴冠の原動力となったのは言うまでもないだろう。

 今年のメンバーにもディアドラのような成長曲線を描く馬がいれば…。そんな思いを胸に、アールドヴィーヴルの今野調教師のもとへと取材に向かった。

「完成するのは古馬になってから」

 これこそが春の時点でのトレーナーの一貫した見解ながらも、桜花賞オークスともに5着と健闘。伸びシロを多く残した状況で、世代上位の走りを見せてきたこの馬には逆転の可能性を感じていたからだ。

「体が増えて、動きも春よりキビキビしてきました。体質そのものも以前と比べて強くなったように感じます」

 今野調教師の口ぶりはひと夏を越しての成長ぶりに手応えを感じている様子。だからこそだろう。1番人気に支持されながら3着に敗れたローズSについても「久々でも落ち着いて競馬ができていましたし、ラストはしっかり脚を使ってくれました」と前向きに振り返りつつ、「その前回は少し緩い感じがしたので攻めも若干強くしましたが、今回はそういう必要もないでしょう。使った分、動きもよりシャープになっていますから」とこの中間の上昇ムードも伝えてくれた。

 そんな指揮官はアールドヴィーヴルの現状の課題をもちろん、しっかりと把握している。

「いつもコーナーでスッと動けないところがあるんです。大きく力負けしている感じではないけど、器用さがない分、上手に走られた馬に負けている。そんな競馬が続いているように思います。そこさえうまくカバーできれば…」

 大一番へ向け、体調は万全。コーナリングという最後のワンピースを埋めて、ラスト1冠をもぎ取るのか。その走りから目が離せそうもない。

 (栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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