プラタナス賞(16日=東京ダート1600メートル)は2017年の覇者
ルヴァンスレーヴを筆頭に、のちもダート路線で活躍する馬を多く出しているレースだ。現状はまだ2歳戦におけるダート路線の充実が求められている段階。ダート重賞は地方交流戦に限られるだけに、早々と適性を絞った馬にとっては限られた貴重な選択肢となっているからだろう。
カズラポニアンも砂路線での大成を予感させる好素材。函館ダート1700メートルでのデビュー戦は番手追走から楽々と5馬身抜け出す圧勝劇で、1分47秒3の2歳レコードを叩き出してみせた。その勝ちっぷりや数字の裏付けだけでなく、鞍上の横山和がレース後に「正直(結果につながるのは)次かと思っていました。結果だけを見たら楽勝だけど、まだまだ全然。そんな中で勝つんですから持っているものは相当ですね」と口にしたことで、現地取材の記者は一層、末恐ろしく感じたものだ。
その新馬圧勝時、横山和は「せっかく勝てたので、無理をして(間隔を詰めて次走を)使わないほうがいいかもしれません。結構いいところまで行くと思います」とも付け加えていた。要は“大事に使っていけば大成する”。そうした経緯を踏まえれば、約3か月の間隔を空けての出走となる
プラタナス賞で期待しないわけにはいくまい。
放牧から帰厩後は順調に調整を重ね、2週前、1週前追いは南ウッドでしっかり併せ馬を消化。「函館でレースを使う前は(5ハロン)70-40で一杯になるくらいでしたから、当時と比べればだいぶ動けるようになってきましたね。それに以前は体を起こして走ってましたけど、走る格好も良くなってきました。十分に負荷がかけられ、まだ緩さのある中でも成長しています。まだ半信半疑なところもありますが、もしかしたら想像を超える馬になるかも、という期待もありますね」と宮田調教師もまた
カズラポニアンの潜在能力を高く評価している。
まだ1戦1勝の身で未知の部分が多くを占めるのは間違いないが、ジョッキーにしろ、トレーナーにしろ“ひょっとしたら”という可能性を感じているのは間違いない。
「コースも距離も芝スタートも初めて。まだ経験を積みながらの段階ですけどね。しっかり成長させて、来年が楽しみになる競馬ができれば」(宮田調教師)
いずれ大きな舞台に羽ばたく可能性も十分に秘める、逸材の2戦目をじっくりと見届けたい。
(立川敬太)
東京スポーツ