スマートフォン版へ

【みやこS】オーヴェルニュは“中京専用機”ではない!/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年11月03日(水) 18時01分
 広告営業時代の話をすると、11月は年末の大一番に向けて動き出すころだ。有馬記念東京大賞典などビッグイベントが目白押しの年末は文字通り書き入れ時。忘年会にも顔を出しつつ、山のような業務をこなすため寝る間を惜しんで働いていた(働かされていた?)ことを思い出すと、懐かしいような、苦々しいような複雑な気分になったりするものだ。

 GIIIみやこS(7日=阪神ダート1800メートル)はチャンピオンズCの重要な前哨戦であると同時に、東京大賞典を目指す馬にとっても大事なステップ。つまり、暮れの二大決戦の行方を占う意味で要チェックな一戦となる。

 秋初戦をここに定めたオーヴェルニュは、2月のフェブラリーSで13着大敗を喫しながらも、暮れのチャンピオンズCではダークホース的な扱いをされることが予想される。その最たる理由は、舞台となる中京との抜群の相性にある。

 逃げるインティを早めに捕まえ、そのまま押し切った1月の東海Sも強い競馬だったが、それ以上の圧巻シーンを披露したのが5月の平安Sだ。道中は好位内で我慢して直線でスパーク。抜群の推進力で後続を実に6馬身引き離してみせた。1分54秒7走破はレコードのおまけつきで、「中京ダートではオーヴェルニュ強し――」を鮮烈に印象付けている。 

 となると、やはり買いはこの後のチャンピオンズCで、阪神が舞台のみやこSは静観が正解?いやいや、オーヴェルニュを手掛ける梅内助手は“中京専用機”のような扱いに首を傾げている。

「たまたま重賞2戦が強い勝ち方だったから、そういうイメージになっているのかもしれないけど、左手前のほうが内に張るから、左回りのほうが実は乗りにくい馬なんですよ。以前は左回りだとラチにへばりつくくらいだったから、初めて中京を走る時(昨年3月の名古屋城S1着)は松山ジョッキーにも注意したほど。右回りでも勝っているし、特別どちらが得意ってことはないですね」

 確かに昨年暮れのベテルギウスSでは、のちに帝王賞を制するテーオーケインズを退けるなど、今回の舞台となる阪神でも3勝を挙げていることを考えれば、梅内助手の不満もうなずける。同時に、本来は決して得意ではないはずの左回りであれだけのパフォーマンスを披露するオーヴェルニュのポテンシャルの到達点はどれほどの高みにあるのかと思わずにはいられない。

 夏場はオーヴェルニュを臨時の担当助手に任せて北海道に滞在していた梅内助手は、テレビ観戦となった帝王賞7着について「2000メートルは微妙に長かったし、道中クリンチャーにプレッシャーをかけ続けられる厳しい展開だったから」と意に介す様子はない。眼前に迫るみやこSに向けて万全の態勢を整えるべく、オーヴェルニュと二人三脚で乗り込みを続け、2週前、1週前追い切りには今回手綱を取る和田竜二騎手に感触を確かめてもらった。「とくに先週はしっかりやってもらって、すごくいい感触をつかんでもらいました」と坂路4ハロン51.2-12.5秒の好時計をマークした調教内容にご満悦だ。

 オーヴェルニュが目指す高みに“中京専用機”などといった別称は不要。まずは今週のみやこSを勝ち切ってコース不問の強さを見せつける。

(元広告営業マン野郎・鈴木邦宏)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す