4番枠に入って逃げると思われた
アランバローズだったが、出遅れというほどではなかったものの煽るような感じでタイミング合わず。それならばと抜群のダッシュを決めた
モズスーパーフレアがすんなり先頭へ。一方の
アランバローズは、
ベストマッチョにも前に入られたことで頭を上げるような素振りを見せ、まったくリズムを崩してしまった。
単騎で逃げた
モズスーパーフレアの前半3F通過は37秒0だから、この距離でメンバーを考えるとむしろスローペース。ならばそのうしろを追走した好位勢、
ベストマッチョ、
サクセスエナジー、
リュウノユキナらの勝負になってもよさそうだが、そうはならず先行勢総崩れ。モズスパーフレアこそ最後一杯になりながらなんとか3着には粘ったが、勝った
レッドルゼル、2着
サンライズノヴァ、さらに4着
モジアナフレイバーの3頭は、いずれも中団よりうしろから後半脚を使った馬たちだった。
モズスーパーフレアは、初ダートだった昨年、大井1200mの
JBCスプリントでも逃げて4着だったが、実績のない1400mはやはり長かった。
リュウノユキナもダートでの実績は1200mのみで、3〜4コーナーまでは手ごたえ十分だったが、1番枠で砂が重い内を走らされたこともあっただろう、ゴール前で止まってしまった。
ベストマッチョは昨年末の
兵庫ゴールドトロフィーで
サクセスエナジーに僅差の2着があったが、そもそも今年は昨年ほどの勢いがない。
この条件ベストと思えた
サクセスエナジーも意外な凡走。砂をかぶらない外目の枠から外の3番手は絶好の位置取り。しかし3コーナーから追い通しとなって、7着という着順は大外を回したぶんもあっただろうが、それにしてもゴール前ではレースをあきらめた感じだった。JpnIIやJpnIIIではときに強いレースを見せるが、得意なはずの浦和コースでの開催だった2019年の
JBCスプリントでも11着に負けていたように、強いメンバーが揃うGI/JpnIとなるとスピードで負けてしまうのかもしれない。
勝った
レッドルゼルは中団から35秒2という出色の上がりで直線突き抜けた。スタートで出遅れ最後方からとなった
サンライズノヴァも4コーナー6番手という位置から
レッドルゼルと同じ35秒2で上がって3馬身差の2着。2頭ともに直線は、砂が重いと言われる内を突いて伸びた。
良馬場発表でも第5レースまでは稍重で、第6レースでスコールのような雨もあったため、馬場が締まっていたこともあったかもしれない。「外のほうが伸びる馬場ですが、外を回すとオープンクラスだと距離ロスのほうが大きくなります」とは
サンライズノヴァの
吉原寛人騎手。
レッドルゼルの
川田将雅騎手とともに、1、2着は鞍上の思い切った好判断が光った。
レッドルゼルの父
ロードカナロアは、
アーモンドアイをはじめ芝での産駒の活躍はあらためて言うまでもないが、ダートでも産駒のJpnI初勝利となった。種付料の高さから今の日本のレース体系では産駒がダートに出走してくる機会はそう多くはなさそうだが、
その父キングカメハメハからは
ホッコータルマエなども出ているように、この父系は芝でもダートでも、また距離もオール
マイティにこなす、さまざまな一流馬が出てくる。