レースはまさに独壇場だった。道中は好位を追走した
コントレイル。向正面で一気にまくった
マイラプソディの奇襲にも冷静に対処し、直線では馬場の真ん中へ。ラスト1Fで先頭に立つと、最後は余裕の手応えで突き抜けた。
皐月賞で半馬身差の接戦を演じた2着
サリオスに3馬身差をつけての圧勝劇だ。
これが自身ダービー2勝目となった福永は「先頭に立つと遊ぶ面があるので追いだしを遅らせた。それでも遊んでいましたね。ここは改善してほしいところだが、逆に考えれば遊びながらダービーを勝っているわけで、相当、優秀な馬です」と目を細める。矢作師も「横綱相撲だったかなと思います。強かったです」とうなずいた。
コ
ロナ禍により、無観客で行われた競馬の祭典。
父ディープインパクトに続く無敗制覇という輝かしい戦果にも歓声はなかったが、鞍上は馬上から無人のスタンドに向けて深々と頭を下げた。
「こういった中でも競馬をさせてもらっている感謝の思いを、何かで表したかった」と思いを吐露。指揮官も「ファンの皆さんがいらっしゃらないのが残念でたまらない」と声を詰まらせながら心境を語った。
当たり前のことが当たり前ではなくなった2020年。希代のスーパーホースは静かに、頂点に立った。
提供:デイリースポーツ