3頭の外国馬の参戦、そのうちの1頭ジャパンへの
武豊騎手の騎乗、4世代ダービー馬の集結、
コントレイルのラストラン、強いと評判の3歳世代から
シャフリヤール・
ユーバーレーベンのダービー/
オークス馬の参戦と注目ポイント満載となった2021年の
ジャパンカップ。
そんな頂上決戦をプロ予想家はどう見ているのか。netkeibaでお馴染みの人気予想家・TARO氏に
ジャパンカップを展望してもらった。
■外国馬で唯一可能性があるとすれば…
今年の
ジャパンカップのポイントは2点あります。
1点目は3歳馬のレベルです。
スプリンターズSを
ピクシーナイトが制し、3歳馬不利と言われる
天皇賞(秋)でも
エフフォーリアが古馬を一蹴、今年の3歳世代は強い…ということで、その評価は既に確定したように言われています。となれば、ダービー馬
シャフリヤール、
オークス馬
ユーバーレーベンが参戦する今回は当然狙いでしょう。
ただ、そこはもう少し精査する必要があるかもしれません。大活躍の背景のひとつは、4歳勢の不振もあるでしょう。上の世代が手薄ならば、下の世代が活躍しやすくなるのはある意味当然です。各路線から有力馬が揃った
NHKマイルカップはハイレベル戦と認定できますが、
日本ダービーは水準少し上くらい、
サトノレイナスがダービーに向かい、全体としてはやや手薄で特殊なスタミナ戦だった
オークスに至ってはむしろ低レベルというのが筆者の見解です。
さらに、
シャフリヤールはダービー馬ではありますが、当時の馬場を考えると強い競馬をしたのはむしろ今年は不利だった最内枠から早めに動いた
エフフォーリア。
ユーバーレーベンの
オークス制覇に至っては、かなり馬場や展開が向いたものでした。ともに初めて古馬に挑むことになりますが、
ユーバーレーベンは苦戦、
シャフリヤールは有力ですが、
コントレイルと比較すると信頼度は一枚落ちと見ます。
2つ目のポイントは外国馬の取捨。久々に3頭が参戦して来ます。
もっとも、外国馬の馬券圏内は15年前のウィジャボードまで遡る必要があります。最近の海外ビッグレースでの活躍を見ても、日本の中長距離路線は世界最高レベル。よほど適性があるか、あるいは日本競馬に向く要素がないと厳しいでしょう。
唯一可能性があるとすれば内枠を引けたブルームでしょうか。前走の
ブリーダーズカップターフでスピード競馬への対応も見せており、先行力がある点、日本競馬をよく知るムーア騎手が乗れる点も心強いです。
というわけで、狙いはむしろ3歳よりも古馬勢。その中でも器用な競馬ができる
オーソリティ、横山武騎手を配してきた
アリストテレスに魅力を感じています。
(文=TARO)