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【朝日杯FS】「天栄×ルメール×木村厩舎」の“三位一体”で臨むジオグリフ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年12月15日(水) 18時01分
 先週の山口先輩のコラムと重なることが多いことを承知の上で、あえて書かせていただきたい。阪神JFを国枝厩舎のサークルオブライフが制したことで2021年の平地GI 21戦のうち関東馬は11勝となり、現在のところ関西馬に対して勝ち越し中。これは当方が競馬記者になってばかりのころを思うと、考えられない状況である。

 当方がトレセンで取材をするようになったのは04年から。その年のJRA平地GI 21戦では関西馬13勝に対して、関東馬は8勝。翌05年に至っては関東馬はわずかに1勝…。当時はハッキリ言って勝負になっていなかった。一部からは“関東馬はお荷物”とまで言われていて、取材をしている身としても悔しい思いをしたことを覚えている。

 ではいつから風向きが変わったのか。関東の厩舎人の地道な努力が実を結んだことは間違いないだろうが、個人的には11年に開場したノーザンファーム天栄の存在が大きいと感じている。最新鋭の設備とノウハウを持つ、その実力については、本紙木曜発行紙面でおなじみ木實谷雄太場長の「みちのく調教基地 ノーザンファーム天栄発」を参考にしていただくとして、エフフォーリアグランアレグリアなど、今年の関東のGI勝ち馬の半数以上は、やはり天栄の調教馬なのである。つまり、ノーザンファーム天栄調教馬が活躍する→関東の厩舎の評価が高まる→関東に入厩する馬のレベルがアップする。この好循環こそが、近年の関東馬の躍進を支えているのではなかろうか。

 そんなわけで今週の朝日杯フューチュリティS(19日=阪神芝外1600メートル)は“天栄馬”のジオグリフに注目してほしい。前走の札幌2歳S優勝後はノーザンファーム天栄で鍛えられてきた。帰厩後の“変化”について木村厩舎の太田助手はこう証言する。

「成長したと思いますね。サイズ自体はそう変わらないんですけど、牧場から戻って、体のラインが変わりましたから。緩さというか、水っぽさが抜けた感じ。その分、大きく見せるようになりました」

 札幌2歳Sの内容については「ゲートの駐立に課題があって、大味な競馬になった」としぶい表情を見せつつも、「レース後には美浦トレセンに戻ってゲート練習をしてから放牧へ。帰厩後も練習をしていますし、変化は見られます」と手応えを口にする。

 8日にはルメールが美浦に駆けつけて1週前追い切りに騎乗。鞍上からは「フレッシュで元気いっぱいな分、ひっかかってしまった。折り合いなど勉強する部分がありますね」とダメ出しが入ったが、この点についても太田助手は「確かにところどころエキサイトする場面がありましたけど、幸いレースまでまだ時間はある。そのあたりをスマートにできるように調整していきたいです」と名手からの“宿題”を前向きに捉えていた。

 ノーザンファーム天栄でつくられたベースが完璧であっても、騎手や厩舎による最良の“味つけ”が加わらなければ、GIタイトルには手が届くものではない。果たして朝日杯FSを制するのは西か、東か。今のところは天栄×ルメール×木村厩舎の“三位一体”で臨むジオグリフが、関東馬による今年のGI 12勝目を飾るとみているが…。もちろん、今後も入念な取材を続けていきたい。

(美浦のツイート野郎・藤井真俊)

東京スポーツ

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