「
東京大賞典・G1」(29日、大井)
強烈な西日を背に受けながら、真っ白な馬体が踊った。1年ぶりの勝利は史上初の4連覇で決めた。内から懸命に迫る
クリンチャーを半馬身封じた
オメガパフュームが、ラストランを最高の形で締めくくった。
課題のスタートも決まり、序盤は中団の外々。「スタートに集中していた。二の脚が遅くて心配したけど、向正面を向いたらいつものオメガだったね」とMデムーロ。4コーナー入り口で
ミューチャリーと接触。大きく外へ振られるアク
シデントはあったが「馬の気持ちが強かった」。修正してからの集中力はさすがだった。
昨年の当舞台を勝ってから3連敗。主戦は「プレッシャーがすごかった」と打ち明けたが、そこから開放されたとあって「直線は長かったけど、とても気持ちいい。感謝している」ととびきりの笑みをこぼし「ものすごい強い馬じゃなければできないこと。すばらしい」とパートナーの偉業をたたえた。
安田翔師もホッとした表情。「
帝王賞の時(5着)は覇気がなかったが、今回は新馬の時に見せた活気の良さがあった。それを表に出さず、内に秘めるように」と細心の注意を払いながら調整してきた。それだけに「無事にレースを終えられた安心感が勝ってます」と静かにほほ笑んだ。
今後は北海道新ひだか町のレックススタッドで種牡馬入りする予定。全10勝のうち大井で5勝を挙げた芦毛の“砂の帝王”は、いったいどんな産駒を送り込んでくれるのだろうか。
提供:デイリースポーツ