2022年の
中央競馬、美浦トレセンで最も好スタートを切ったといっていいのが相沢厩舎。
「去年はたたられているかのように次々良くないことが起きた一年だった」(相沢調教師)と語るように、
ブラックホールや
ビターエンダーといった厩舎の看板馬として期待された馬が相次いで引退や故障。5年連続20勝以上をマークしていた勝ち星も10勝にとどまるなど、不本意な成績に終わった。
一方今年はオープニングレースを4番人気の
ニシノアナで制すと、同日の8Rでは5番人気の
ハコダテブショウで勝利。レース翌日、美浦トレセンで「初詣に行って、年明け最初のレースを制したのも、開幕日に1日2勝をマークしたのも初めてだと思う」と語っていた相沢調教師だったが、さらに先週の記事で取り上げた
ライラック(5番人気)が、大外一気の末脚炸裂で
フェアリーSを制し、新年を待っていたかのように所属馬が大暴れ(3勝=関東トップ)。しかも前記の通り、勝ち馬はいずれも上位人気ではなかったのだから恐れ入る。
この相沢旋風に乗り切れず、苦悶の開幕となった記者は反省の連続。相沢厩舎は今週も3重賞全てに所属馬を送り出すが、今からでも波に乗れるのか…相沢師を訪ねると「どの馬もチャンスはあると思っている」と心強い言葉が。
まずは、
日経新春杯に出走する
プレシャスブルーについて「前走はゲートを切ったままの前残り決着だったし、直線で前も詰まり通しで本来の力を出せなかった。前走後も状態はすごくいいし、明け8歳でも馬はまだ若い。相性のいい勝浦に戻るのも楽しみ」。3走前の
オクトーバーSで13番人気ながら2着、2走前の
アンドロメダSでも5番人気3着に導いた鞍上との再コンビなら、またもや波乱を演出してくれるかも。
京成杯に出走予定の
テラフォーミングについても「前走(東京スポーツ杯2歳S9着)は2戦目でかかり気味に行ってしまって、力を出せなかった。稽古は動くし、馬っぷりもすごくいいから、あれが能力ではない。2000メートルに距離が延びるのはいいと思うし、今度は脚をためてしまいを生かすレースをさせたい」と
ニュースタイルで真価発揮に意欲をみせていた。
さらに
愛知杯に出走する
スライリーについては「この馬は今年、どこかで重賞を勝てると思っている」。続けて「とにかく折り合いひとつなんだ。かかり気味に行ってしまうと良くない。徐々に体も大きくなって成長してきているし、牝馬限定重賞なら勝ち負けできる力はある。状態はいいし、うまく折り合って脚をためられれば」と期待十分の話しぶりだ。今週も相沢旋風は続きそう。さらに配当妙味もたっぷりとあれば、追跡者として重い印を回して追いかけたい。
(美浦の反省追跡野郎・松井中央)
東京スポーツ