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【勝負の分かれ目 東海S】松田騎手が瞬発力を引き出し、スワーヴアラミスが鮮やかな差し切り勝ち

  • 2022年01月23日(日) 18時20分
 アイオライトが序盤からハナに立ち、差なくイッツクールがつづく。向正面で16頭の馬群は15馬身ほどの縦長になった。

 先行する2頭から2、3馬身離れた3番手にサンライズホープ、連覇がかかる1番人気のオーヴェルニュは4番手の外目につけている。

 松田大作が乗る7番人気のスワーヴアラミスは中団馬群のなか。ゲートを出てすぐ出鞭を入れてポジションを取りに行ったのだが、外から被せられるような形になると、無理せず控える形に切り替えた。結果的に、これが奏功した。道中、ともすれば掛かりそうなほどの手応えでありながら、前に馬を置くことによって折り合いをつけ、脚を溜めることができた。松田は言う。

「いつも、砂を被ると進んで行きにくいところがあるのですが、前回くらいから砂を被っても平気な感じになってきたので、幅がひろがったと思います」

 3、4コーナーですぐ前にいたケンシンコウも下がることなく伸びつづけたことにより、スワーヴアラミスの進路が確保され、スムースに押し上げることができた。

 前が開きさえすれば突き抜けるだけの手応えを感じていたからだろう、直線入口で、松田はスワーヴアラミスを外に持ち出した。

 ラスト400mを通過したところで、スワーヴアラミスの前が完全にひらけた。

 ラスト300m付近で、内からオーヴェルニュが先頭に立った。サンライズホープがそれを追う。

 これら2頭からスワーヴアラミスはまだ5馬身ほど後ろにいる。

 ラスト200mを切ると、オーヴェルニュサンライズホープが併せ馬の形で抜け出し、後ろを突き放しにかかる。

 これら2頭をとらえるべく、馬場の真ん中からブルベアイリーデが差を詰める。そのさらに外から、松田の左ステッキを受けたスワーヴアラミスが飛ぶように伸びてくる。

 スワーヴアラミスは内のブルベアイリーデを並ぶ間もなくかわし、ゴールまでラスト2完歩ほどのところで、粘り込みをはかるオーヴェルニュをとらえ、重賞3勝目をマークした。

 まさに、前が止まって見えるほどの瞬発力を、松田が見事に引き出した。

「馬が去年の夏から1戦ごとに成長しているのを感じました。ぼくにとって初めてのGIIだったので、あの馬と一緒に達成できて、すごく嬉しいです。こういう形でレースをできたのは収穫だと思います」

 そう話した松田は、この馬が3歳だった2018年に5戦、20年にも1戦で騎乗している。そして、昨年のマーチステークスからこのレースを含め9戦連続手綱をとり、フェブラリーステークスの優先出走権をつかみ取った。

 松田は、17年に半年間の騎乗停止から復帰したとき「明らかに変わった姿を見せなければならない」と話していたが、間違いなく、それができている。楽しみなコンビが現れた。

(文:島田明宏)

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