メイケイエールは前走の
スプリンターズSではスタート後に大きくロスがありましたが、上がり33秒5の脚で4着まで差を詰めました。内を通った先行馬が上位を占めていたにもかかわらず、1200であれだけロスがあって4着って凄いですね。
メイケイエールの速さのポテンシャルの高さを改めて実感しました。
が…競馬にはどうしても立ち回りの上手さが求められます。
メイケイエールは何ともそういう点では不器用そうに見えます。そのあたり、管理する
武英智師に聞いてみました。
「真面目過ぎるんです。一生懸命、走ることに夢中になってしまう。前にいる馬を抜かして走りたい、というだけなんです」
なるほど!頑張りすぎてしまうあまり、気負って空回りしているのですね。
メイケイエールは一口に“気性難”とまとめられがちですが、いやいや、そうじゃなくて。頭が良すぎて自我が強いゆえに扱いづらさを出す
ステイゴールド系の馬たちとは違って、単に気持ちがまっすぐすぎて不器用なだけのようです。
「早く走る能力は本当に素晴らしいものがあるんです。でも、競馬には駆け引きも必要ですから。いつも頑張っているし、少しでも落ち着いてレースで結果を出せれば、と考えています」
頑張り屋のエールちゃん(勝手に
メイケイエールをそう呼んでしまっている自分がいます笑)。一生懸命すぎて、その不器用さが、なんとも可愛く映ります。頑張って欲しい。でも、頑張りすぎないで、
リラックスして競馬を楽しんで欲しいです。頑張らないように頑張れ、エールちゃん!
「前走は追い切りのあとに少しカリカリする面をみせていましたが、今回は落ち着いているし、状態は凄くいい。過去の中でいちばんいいんじゃないか、と思わせるほどです。この中間は頭を上げないようにする馬具をつけて、折り合って抑えが利くように仕向けています。うまくレースでも落ち着いて走ってくれるといいですね」
(取材・文:花岡貴子)