2020年から2024年にかけて行われる京都競馬場の大規模な工事(馬場改修は2023年まで)にともない、去年に続き今年も中京競馬場で施行されることになった
シルクロードステークス。ラップ傾向で見ると中京芝1200mと阪神芝1200mにそこまで大きな差異はなく、着目すべきは施行コースの違いではなく、
シルクロードSが“ハンデ戦”であるという点ではないかと思います。
現在のところ、
JRAの芝1200mハンデ重賞は
シルクロードS(GIII)、
CBC賞(GIII)と
北九州記念(GIII)の3レース。ラップ傾向がまるで違う小倉競馬場の
北九州記念には当てはまらないのですが、この事象は
シルクロードSだけではなく、
CBC賞にも顕著に出ている傾向なので覚えておいても損はないと思います。
JRAのハンデ戦はハンディキャッパーがイチから考えているわけではなく、“馬齢重量”という基礎になる負担重量からの増減で決められています。基本的には5歳以上の牡馬・セン馬が平地で57kg、4歳以下の馬は月ごとに細かく減量が設定されていて、いずれの年齢でも牝馬は一律に2kg減。土日で月をまたげば前の月の斤量が適用されるなど細かいルールも多々あるのですが、ともかく1月30日に施行される今年の
シルクロードSは4歳56kg、5歳以上57kg(牝馬は2kg減)の馬齢重量が基準となります。
ナニやら小難しい話になってしまいましたが、着目したいのは
シルクロードSにしても
CBC賞にしても、この基準となる斤量よりも重いハンデを課された馬の好走が目立つという点です。
基準以上 62戦【12- 6- 6- 38】勝率19% 複勝率39%
同等以下 459戦【20-26-26-387】勝率 4% 複勝率16%
合計数値 521戦【32-32-32-425】勝率 6% 複勝率18%
※
CBC賞がハンデ戦となった2006年以降。
自重(じじゅう)450kgを超えるサラブレッドにとって、1kgや2kgの斤量なんてあまり関係ないのではないかという意見もありますね。パドックでボロでも出せば1kg以上変わることもあるのだし、競馬を始めた当初、そのように考えていた時期が自分にもありました。
しかし、自重と斤量(自分の身体と外的重量)は根本的に違うのです。たとえば徒競走、“10円玉を40枚入れた袋”を持って走るとしますね。10円玉は40枚で180グラム。体重70kgの人間にとっての180グラム、これが450kgの馬に対する1kgの斤量と似たような比率になります。しかも両手のコブシに握りこむのではなく、コンビニ袋なんかを手からぶら下げて走るとすると、かなり走りづらいイメージが出来上がると思います。
40枚を左右均等に分け、可能な限り袋を短く持つのが上手い騎手。不均等に袋を長く持ち、身体に当てながら走るのが下手な騎手だと考えているのは蛇足としておきましょうか。
今回の
シルクロードSで、基準以上のハンデを課された馬は
ジャンダルム、
ビアンフェ、
メイケイエールと
レッドアンシェルの4頭。
ウマい馬券では、ここから更に踏み込んで
シルクロードSを解析していきます。印ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。