先週木曜から金曜にかけて、関東地方では積雪が観測されたが、美浦トレセンでは深夜から雪が降り続け、早朝にはトレセン内も雪化粧で白銀の世界になっていたのには驚いた。しかし、もっと驚いたのは南ウッドコースと坂路、北C(ダート)コースは通常通り、7時から開門されていたこと。5センチ以上は積もっていたにもかかわらず奇麗に除雪されていた。
ただ厩舎周りに降り積もった雪かき作業や、馬場の回復を待つため、運動の開始時間を遅らせる厩舎が多く、開門時間の7時前はいつもより閑散。東京開催に合わせて左回りに設定されているコースも馬場への入り口を1か所に制限したことで急きょ、右回りに変更。さらに国枝調教師が「かなりぬかるんで状態が悪いみたいだったから、坂路で運動することにしたよ」と語ったように、ウッドではハロン20〜30秒台のハッキングにとどめる厩舎が多かった。
それでも国枝師は「追い日ではないから無理をすることはないし、影響はないよ。むしろ、いつも通りコースが使える状態なのはすごいよな」と語った通り、深夜からコース全体を除雪し続けた作業員の方たちには頭が下がる思いだ。
京都牝馬S(19日、阪神芝内1400メートル)に
クリノプレミアムを送り出す伊藤伸調教師も「いつもだったらレースまで間隔があったら(放牧に)出していたけど、今回は在厩で調整した。2度も雪が降ったけど、馬場だってトレセンの方がいいし、うまく調整できている」と天候に左右されず、順調な調整過程に好感触。
昨秋は
キャピタルS、
ターコイズSで11、12着と崩れたが、伊藤伸師は「ハミをかんだり、少しかみ合わなかった」と振り返るように、折り合いを欠いて本来の走りができなかった。
年明けの
京都金杯では中団からスムーズに流れに乗り、5着と復調を感じさせる内容に「輸送はあまり得意ではなくて、現地でやんちゃなところを見せたりするから、長距離輸送は避けていたけど、昨夏の新潟の長岡Sを勝った時や前走のように現地で一泊すると落ち着いて普段の状態に戻るし、結果も出ているからね。阪神への輸送も大丈夫」と手応えを伝える。
「自分の能力さえしっかり出せれば、ここでも十分通用するはずだし、ジョッキーも2回目で脚質などこの馬のことを把握してくれている。条件戦とはいえ、1400メートルは2、3着と好走しているし、流れがうまくかみ合えば」。距離短縮でペースが速くなれば、折り合いもつきやすく、むしろプラスとなりそうなだけに、ひそかに激走を期待している。
(美浦の追跡野郎・松井中央)
東京スポーツ