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【高松宮記念】レイハリア 連勝が止まった前走・京阪杯は馬混み初体験で致し方なし/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年03月23日(水) 18時01分
 2022年春のGIシリーズ開幕戦。競馬記者なら誰もがこの第52回高松宮記念(27日=中京芝1200メートル)の予想的中=好スタートを願うわけだが…。確たる主役不在なのが現状のスプリント戦線。混戦ムードが漂っているのは否定できない。そんな中、記者がひそかに注目しているのが4歳牝馬レイハリアである。

 昨年3月の未勝利戦から破竹の4連勝でキーンランドCを制したのは周知の通り。その中でも特徴的なのが、全4勝いずれも1200メートル戦ながら、中山ダート→新潟芝の重馬場→中京芝の良馬場→札幌の洋芝(良)と、左右の回りを含めほぼ全てのカテゴリーを網羅している点だろう(ないのは左回りのダートくらいか)。どんな状況下でも結果を出してきたのであれば、“タラレバ”が禁物の競馬において、条件の変化に左右されないという意味で大きなストロングポイントになり得るはずなのだ。

 とはいえ、連勝が止まった前走の京阪杯がシンガリ負け(16着)では買う気が起きない? いやいや、改めてレースを検証してみると…。外枠からのスタートで前半こそ好位馬群の外でスムーズな追走に映ったが、4角で一気に外から馬体をかぶせられたところで、一瞬のうちに戦意を喪失しているのがよくわかる。「馬混みでは力を出せなかった。経験不足でしたね」とは田島調教師だ。

 そういえば、昨夏に函館で主戦の亀田に話を聞いた時に「一番の持ち味はスタートの速さ」と言っていたのを思い出す。その特徴的長所ゆえ、それ以前の4連勝はハナか番手からの“ノープレッシャー”な競馬だった。あらゆる条件の変化にも対応してきた馬とはいえ、初めて経験する“馬混み”には対応できなくても致し方あるまい。

「他に馬がいるところで最後に強めに追いたくて、1週前追い切りでは3頭併せの真ん中に入れたりしています。気持ちの面でも安定してきましたし、馬体重も460キロ台に成長して、調教はうまくいっていますね」

 田島調教師は前走で露呈したウイークポイントの克服に手応えを見せている。

 一方で記者がどうしても確認しておきたかったのは昨秋のスプリンターズSへの出走を見送った経緯だ。キーンランドCで7着に退けた当時同じ3歳牝馬のメイケイエールスプリンターズSで4着に善戦した。連勝中の勢いはもちろん、斤量53キロで出走できた利点も加味すれば“なぜ? ”の疑問が生じたからだ。その点に関しては「北海道で使ったので無理はさせませんでした。結果的に十分な間隔を取った前回が不完全燃焼に終わってしまいましたけど、逆にいい経験になれば、とも思っているんです」と田島調教師に悔いはない。

「今回は相手も一線級揃い。そんな中で周りの動きにどう反応し、どう対応するかですが、現状では思い切って行く競馬のほうがいいのかなとも思っています。しっかり力を出し切る競馬をしてくれれば、楽しみはありますよ」

 昨秋のスプリンターズSに無理して出走させなかったこと、そして前走の京阪杯で大敗を喫した経験が、馬体と精神面の成長も含めて果たして今回にどう生かされるのか。23日の最終追い切りには亀田も栗東から駆けつける予定。その動きもじっくりと見極めたうえで、レイハリアが超穴馬になり得るかの最終ジャッジをしたいと思っている。

(美浦のイレブン野郎・立川敬太)

東京スポーツ

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