「今年の3歳馬のダート路線のレベルは相当高いようですね」
そう話しかけてきたのは
コンシリエーレが3着に好走したサウジダービー遠征にも帯同していた稲垣厩舎の浅井助手だ。同馬は帰国初戦となった4日の兵庫CSでも3着。ぶっちぎりVを決めたのは1勝クラスを勝ったばかりの
ブリッツファングだった。次から次へと有力馬が台頭する――。それが今年の3歳ダート路線なのである。
そういう意味では青竜S(15日=東京ダート1600メートル)も見逃せないレースになりそうだ。多彩な顔触れがエントリーしてきた中で記者が注目しているのは
ペイシャエス。
前走で1勝クラスを勝ち上がったばかりだが、2着に5馬身差をつけるワンサイドだったうえに、2走前の
伏竜Sでは勝ち馬からクビ+アタマ差の3着。2着馬は前出の兵庫CSでも2着した
ノットゥルノとなれば、
ペイシャエスの実力も当路線の
トップレベルとの計算が成り立つ。
問題は近2走より前。新馬勝ち後にカトレアS9着→1勝クラス6着と精彩を欠いたのはなぜなのか? その疑問に対して担当の吉開助手は「中団からのレースをしていたのですが、周りを気にし過ぎて自分の(力を発揮する)競馬ができなかった。それで
伏竜Sからは馬混みを避けて前に行く競馬に変えたんです。前回もそれを踏襲しての結果ですね」。
前2走の走破時計は1分52秒2→1分52秒1(いずれも中山ダート1800メートル・稍重)。「ジョッキーも“この時期の3歳で52秒台を連発したのはすごい”と言ってくれました。デビューしたころは体をうまく使い切れないところもありましたが、今は痛いところがまったくありません。相手は強くなりますけど、成長して力をつけてきたので」と手応えを感じている。
同じく吉開助手が担当する
ケンシンコウも3歳春の1勝クラスVから、
ユニコーンS3着→
レパードS1着と大きく飛躍した。
「
ケンシンコウは当時、癖が強くて調整に苦労しました。
ペイシャエスはおとなしくて性格は真逆ですね。時計的にはこの時期の
ケンシンコウを超えているので(将来は)いいところまで行ってほしい」
現在もオープンで活躍中の厩舎の先輩に続く大躍進が見られるのか、
ペイシャエスの走りに注目してほしい。
(立川敬太)
東京スポーツ