競輪
【地方競馬】ファンから佐賀競馬職員へ 青春時代に熱狂的ファンだったからこそ企画できた「うまてなし」
- 2022年05月27日(金) 17時00分
今年、移転開設50周年を迎える佐賀競馬場。これまで多くのスターホースやスタージョッキーが時代を彩ってきましたが、競馬場を支えてきたのは馬や騎手、調教師だけではありません。パドックの出馬表を手書きする職人さんも、小鉢をサービスしてくれる食堂のおばちゃんも、佐賀競馬場の一員。温かみのある佐賀競馬場のおもてなしを「うまてなし」と題して、移転開設50周年イヤーを盛り上げています。
佐賀県競馬組合で広報を担当する飯田健史氏もその一人。学生時代には、とある厩舎にファンレターを書いて横断幕を出すなど生粋の競馬ファンが「少しでも佐賀競馬の魅力を伝えたい」と、新たな試みを打ち出しています。
(取材・構成：大恵陽子)
◆「お礼をしないと！」ファンレターを送った高校生◆
――現在は佐賀競馬場で広報を担当されていますが、競馬はいつから好きだったんですか？
飯田氏 中学生の時に父に連れられて東京競馬場に行った時、マイネルリマークが勝ってビワハヤヒデが2着の共同通信杯でした。そのレースと、兄がゲームのダビスタをやっていた影響で競馬にハマりました。夏休みになると旅好きの父と夜行列車に乗って新潟競馬場に行ったり、高校がちょっと嫌になった時は自転車で北海道の牧場巡りをして、そこで知り合った方の牧場で寝藁上げをしながら馬の見方を教わったりして楽しかったです。
――かなり濃いファン時代を送っていたんですね。たしかJRAの競馬場で横断幕を出されたこともあるんですよね？
飯田氏 高校3年生のある日、競馬雑誌にファンレターの送り方が載っていて、競馬好きの仲間たちと「送ろうぜ！」となったんです。仲間のうちの1人がある騎手の大ファンだったのですが、当時よく乗っている厩舎があったので、「僕の大好きな騎手を乗せてくださっているお礼をしないといけない。その厩舎にファンレターを送ろう」となりました。「こんなん、絶対怒られるぞ」と言いながら送ったら、まさかお返事をいただいたんです。「いつも応援ありがとうございます」って、もう嬉しかったですね。当時、僕たちは高校の卒業式も終えて散り散りになるところだったので、思い出作りにみんなで厩舎の横断幕を作って京都競馬場に行きました。
――ザ・青春！それだけ濃い競馬ファン時代があると、横断幕を出すファンの気持ちも分かるのではないですか？
飯田氏 それはすごく分かります。競馬は馬券を買うのも楽しいですけど、騎手について研究したり、写真を撮ったり、「この馬、なかなか勝てないけどパドックではいつも可愛くて追いかけている」とか、いろんな楽しみ方ができると思っています。佐賀競馬場では現在、パドックの見せ方を再検討中で、一旦横断幕は外していただいていますが、今後、より魅力的な掲出方法などを検討している最中です。ほかにも佐賀競馬場には素朴な食堂も残っていますし、いろんな楽しみ方を提案できたらいいなと思っています。
◆九州ダービー栄城賞の出走全調教師インタビューを配信中◆
――ご自身が大の競馬ファンだからこそできるファンサービスもあるのだと思います。YouTubeでは南関東以外の地方競馬場としては珍しく、大レースの出走馬全調教師インタビューを配信されていますよね？
飯田氏 中島記念や九州ダービー栄城賞で行っています。佐賀競馬場内ではJRAの馬券も売っているのですが、「タートピッ！」で関係者インタビューが放映されるとみんな見ていて、こういうことは必要だなと感じていました。佐賀競馬でも関係者インタビューを始めた当時、私は番組企画係というレース編成に関する部署にいて出馬投票に来た調教師に声掛けができる状況だったので、提案をしました。
――地方競馬が取っつきにくい理由として、「馬や騎手が分からない」「情報が少ない」ということが挙げられますから、その両方の打開策にもなりますね。
飯田氏 佐賀競馬には他場で成績を残せなかった馬が移籍してくることも少なくないですが、それでも一生懸命に馬と向き合っている方々がたくさんいます。少しでもそういうことが伝われば、と思います。いまはインターネットで馬券を買うファンが増えているので、こうしてネットで情報を出せるようにしていますが、ネットで面白いものを見ていたら、現地にも行ってみたくなるんじゃないかな？ と思っています。
――たしかに私も競馬ファン時代、テレビで見ていただけの競馬場に行きたくなって、夜行バスやフェリーに乗って遠征したことがあります。最後に、広報という立場からの「うまてなし」を教えていただけますか？
飯田氏 今年は佐賀競馬場が移転50周年を迎え、様々な企画を行っています。その中で、できるだけ多くの方に佐賀競馬の魅力を知っていただきたいと思っています。まずは佐賀競馬場の存在を知ってくださるだけでいいですし、これまでとは違う一面も感じていただけると嬉しいです。そのためには、できる範囲で一生懸命発信をしていきたいです。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
佐賀競馬場では今週29日に3歳馬の頂上決戦「九州ダービー栄城賞」が行われます。日本ダービーが終わった数時間後に、全国の地方競馬場に先駆けて行われるダービー。注目の若手・飛田愛斗騎手騎乗で佐賀皐月賞を制したザビッグレディーなどが出走予定で、公式YouTubeでは出走全調教師のインタビューを掲載中です。どうぞご注目ください。
netkeiba×佐賀競馬関係者ニュース
◇佐賀競馬の魅力を特設サイトで紹介中
佐賀県競馬組合で広報を担当する飯田健史氏もその一人。学生時代には、とある厩舎にファンレターを書いて横断幕を出すなど生粋の競馬ファンが「少しでも佐賀競馬の魅力を伝えたい」と、新たな試みを打ち出しています。
(取材・構成：大恵陽子)
◆「お礼をしないと！」ファンレターを送った高校生◆
――現在は佐賀競馬場で広報を担当されていますが、競馬はいつから好きだったんですか？
飯田氏 中学生の時に父に連れられて東京競馬場に行った時、マイネルリマークが勝ってビワハヤヒデが2着の共同通信杯でした。そのレースと、兄がゲームのダビスタをやっていた影響で競馬にハマりました。夏休みになると旅好きの父と夜行列車に乗って新潟競馬場に行ったり、高校がちょっと嫌になった時は自転車で北海道の牧場巡りをして、そこで知り合った方の牧場で寝藁上げをしながら馬の見方を教わったりして楽しかったです。
――かなり濃いファン時代を送っていたんですね。たしかJRAの競馬場で横断幕を出されたこともあるんですよね？
飯田氏 高校3年生のある日、競馬雑誌にファンレターの送り方が載っていて、競馬好きの仲間たちと「送ろうぜ！」となったんです。仲間のうちの1人がある騎手の大ファンだったのですが、当時よく乗っている厩舎があったので、「僕の大好きな騎手を乗せてくださっているお礼をしないといけない。その厩舎にファンレターを送ろう」となりました。「こんなん、絶対怒られるぞ」と言いながら送ったら、まさかお返事をいただいたんです。「いつも応援ありがとうございます」って、もう嬉しかったですね。当時、僕たちは高校の卒業式も終えて散り散りになるところだったので、思い出作りにみんなで厩舎の横断幕を作って京都競馬場に行きました。
――ザ・青春！それだけ濃い競馬ファン時代があると、横断幕を出すファンの気持ちも分かるのではないですか？
飯田氏 それはすごく分かります。競馬は馬券を買うのも楽しいですけど、騎手について研究したり、写真を撮ったり、「この馬、なかなか勝てないけどパドックではいつも可愛くて追いかけている」とか、いろんな楽しみ方ができると思っています。佐賀競馬場では現在、パドックの見せ方を再検討中で、一旦横断幕は外していただいていますが、今後、より魅力的な掲出方法などを検討している最中です。ほかにも佐賀競馬場には素朴な食堂も残っていますし、いろんな楽しみ方を提案できたらいいなと思っています。
◆九州ダービー栄城賞の出走全調教師インタビューを配信中◆
――ご自身が大の競馬ファンだからこそできるファンサービスもあるのだと思います。YouTubeでは南関東以外の地方競馬場としては珍しく、大レースの出走馬全調教師インタビューを配信されていますよね？
飯田氏 中島記念や九州ダービー栄城賞で行っています。佐賀競馬場内ではJRAの馬券も売っているのですが、「タートピッ！」で関係者インタビューが放映されるとみんな見ていて、こういうことは必要だなと感じていました。佐賀競馬でも関係者インタビューを始めた当時、私は番組企画係というレース編成に関する部署にいて出馬投票に来た調教師に声掛けができる状況だったので、提案をしました。
――地方競馬が取っつきにくい理由として、「馬や騎手が分からない」「情報が少ない」ということが挙げられますから、その両方の打開策にもなりますね。
飯田氏 佐賀競馬には他場で成績を残せなかった馬が移籍してくることも少なくないですが、それでも一生懸命に馬と向き合っている方々がたくさんいます。少しでもそういうことが伝われば、と思います。いまはインターネットで馬券を買うファンが増えているので、こうしてネットで情報を出せるようにしていますが、ネットで面白いものを見ていたら、現地にも行ってみたくなるんじゃないかな？ と思っています。
――たしかに私も競馬ファン時代、テレビで見ていただけの競馬場に行きたくなって、夜行バスやフェリーに乗って遠征したことがあります。最後に、広報という立場からの「うまてなし」を教えていただけますか？
飯田氏 今年は佐賀競馬場が移転50周年を迎え、様々な企画を行っています。その中で、できるだけ多くの方に佐賀競馬の魅力を知っていただきたいと思っています。まずは佐賀競馬場の存在を知ってくださるだけでいいですし、これまでとは違う一面も感じていただけると嬉しいです。そのためには、できる範囲で一生懸命発信をしていきたいです。
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佐賀競馬場では今週29日に3歳馬の頂上決戦「九州ダービー栄城賞」が行われます。日本ダービーが終わった数時間後に、全国の地方競馬場に先駆けて行われるダービー。注目の若手・飛田愛斗騎手騎乗で佐賀皐月賞を制したザビッグレディーなどが出走予定で、公式YouTubeでは出走全調教師のインタビューを掲載中です。どうぞご注目ください。
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◇佐賀競馬の魅力を特設サイトで紹介中
