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白毛の新人君 まもなくデビュー!“白毛の女王”ソダシを追う

デイリースポーツ
  • 2022年05月31日(火) 20時35分
 5月15日のヴィクトリアMを制したのは純白の女王ソダシ。昨夏の札幌記念以来になる勝利は、阪神JF桜花賞に続く3度目のG1Vとなった。

 その阪神JFでは、『世界で初めて、白毛馬がGIレースを勝った』と大きな話題に。サラブレッドの毛色は計8種類。多い順に鹿毛、栗毛、黒鹿毛、芦毛、青鹿毛、栃栗毛、青毛…そして白毛だ。芦毛も馬齢を重ねるにつれて白くなっていくが、白毛の場合は最初からほぼ真っ白。調教やレースが終わったばかりの馬体を見ると、白毛の中にピンクの肌が浮かび上がってくる。中にはブチ模様の入った白毛馬もいる。世界でも希少な存在で、出現の理由など、まだ謎は多い。

 日本では1979年に黒鹿毛の父、栗毛の母から突然変異で生まれたハクタイユーが最初。海外では1896年に米国で栗毛の父、青毛の母から、同じく突然変異で誕生したホワイトクロスが最初と言われている。

 日本で最初にレースで勝ったのはハクタイユーの子ハクホウクン(1997年12月30日・大井=32戦3勝)で、JRA初勝利はソダシの伯父ホワイトベッセル(07年4月1日・阪神=17戦3勝)。初めて重賞を勝ったのはソダシの伯母ユキチャン(17戦5勝)で、08年関東オークス(川崎)、09年デイリー盃クイーン賞(船橋)、10年TCK女王盃(大井)など交流重賞3勝。10年にはNAR(地方競馬グランプリ最優秀牝馬に選出された。いとこのハヤヤッコ(28戦5勝、現役)は、19年レパードS(新潟)でJRAでの重賞初Vを飾った。

 白毛を連想させる愛らしい馬名がターフを駆けるたびに、その美しい純白の馬体も相まって、女性をはじめ多くの競馬ファンの人気を集めている。最近ではソダシのぬいぐるみが生産が間に合わず、発売を一時中止する事態となったほど。以前はひ弱なイメージもあり、なかなか競走馬として活躍するのは難しいとされていたが、シラユキヒメを祖とし、現在ソダシに至る一族の活躍を見ると、それも遠い昔の話になりつつある。

 その“シラユキヒメ一族”と血筋は違うが、偉大な先輩ソダシに続けとばかりに、現在美浦トレセンで白毛の2歳馬がデビュー戦に向けてトレーニングを積んでいる。その名はアオラキ(牡、美浦・田村)。馬名の由来はマオリ語(ニュージーランドの先住民族マオリ・ナイ・タフ族の言語)で“雲を貫く”の意。ニュージーランド最高峰のクック山(標高3724メートル)の別名でもある。父は12年皐月賞菊花賞の2冠を含む、G16勝を挙げた“芦毛のきかん坊”ことゴールドシップ。母は白毛の外国産馬カスタディーヴァ(11戦1勝)だ。

 5月11日に入厩し、翌12日に初めて馬場入り。まだ子どもっぽさ全開で、初めての場所にキョロキョロしながら、時折、体を大きく弾ませて乗り役を困らせていたシーンは、乗っている人には申し訳ないが、スタンドから見ている方としては、どこかほのぼのとしていた。

 母も管理した田村師は「母の初仔にしてはいい馬体をしている。牧場でしっかり乗り込まれてきたしね」と好印象。19日には無事にゲート試験をクリア。競走馬としての第一歩を踏み出した。26日に美浦坂路で初時計をマーク。馬なりで4F58秒8-13秒7。29日には同Wで5F82秒6-14秒9。ケイコをつける高木助手は「ゴールドシップだけど、気性は悪くないですよ。母はニュージーランド産で成長が遅かったけど、母よりも筋肉量がしっかりしてますね」と評価した。

 注目のデビュー戦は今後の成長を見ながらになるが、そう遠くはないだろう。“白毛の女王”ソダシに負けない活躍を思い描きながら、その日を楽しみに待ちたい。(デイリースポーツ・村上英明)

提供:デイリースポーツ

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