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宝塚記念・G1」(26日、阪神)
本来の前向きな走りがよみがえった。
デアリングタクトは22日、栗東坂路へ。馬なりのため全体時計は4F54秒9と平凡だったが、軽快な脚さばきと前進気勢は、無敗で牝馬3冠を達成した全盛期そのもの。追えばいくらでも伸びそうな手応えで、ラスト1Fは12秒3を計時してフィニッシュした。
背中から伝わる感触に、またがった松山は「一度使って徐々に馬自身が感覚を取り戻しているのを感じています。しっかりとまとまって、いい感じで最終追い切りを終えられました」と満足げに話した。
脚部不安明けで1年1カ月ぶりに復帰した前走ヴィクトリアMは6着。主戦は「上手に競馬してくれて、最後もしっかり踏ん張ってくれた。さすがだな、能力の高い馬だなと感じました」と振り返る。当時の馬体重は22キロ増。杉山晴師は「コンディションは今までで一番いいんじゃないかと思っていた。太めは多少あっても、状態の良さからくるもの」とパンプアップした姿に目を細める。
3冠牝馬に今さら距離延長の不安はなし。「プラスに捉えています」と指揮官が自信を口にすれば、松山も「持ち味の末脚を発揮できるように、とにかくリズム重視で。勝利を目指して、彼女を信じて一緒に頑張りたい」と力を込める。豪華メンバーがそろった一戦をモノにすれば、この上ない完全復活ののろしとなる。
提供:デイリースポーツ