JGIIIではあるが、上半期の東京競馬を締めくくる重賞競走で過去の優勝馬には
オジュウチョウサンや
シングンマイケル、
アポロマーベリックといった
JRA賞受賞馬も名を連ねる格式高いレースだ。
特別難易度の高い障害はないが、3110mの距離に4連続障害と2度目の3連続障害が待ち受ける。しかし、最大のポイントは、延べ13の障害よりも、最終障害を飛び終えたあとの400m弱の長い直線芝コース。平地の脚力も問われるレースでもある。
◎
ホッコーメヴィウスは昨年の2着馬。秋の
東京ハイジャンプでは逃げて
ラヴアンドポップにこそ屈したものの
オジュウチョウサンを抑え込んだように東京巧者だ。昨年秋の
京都ジャンプS3着のあと、今年に入ってから1月の小倉で平地を使ったのちに
春麗ジャンプSを使われたが人気を裏切ってしまった。早々に圏外へと去った内容は不満だが、昨年も障害未勝利を勝ち上がったばかりのタイミングだったとはいえ小倉競馬場では結果を残すことができなかった。相性の問題もあるのかもしれない。
長い休養を挟んで3連勝中の〇
エイシンクリックが強力なラ
イバルになりそう。東京競馬場は平地時代も含めて一度のみとなるが、格上挑戦で挑んだ
ステイヤーズS3着があるようにスタミナには絶対の自信を持っている。母は小倉3歳S優勝で、のちに
エリザベス女王杯3着の
エイシンサンサン。半兄
エイシンニーザン、
エーシンディーエスも障害重賞勝ち馬で3兄弟重賞制覇というジャンプ血統でもある。
▲
ゼノヴァースの前走は障害界に新しいスター誕生を予感させるものだった。もともとダービー前日に行われた3歳1勝クラスの芝2400m戦では
ウインキートスをハナ差抑え込んだ2着で、同年夏に札幌競馬場で2勝目を挙げたときが大差勝ち。障害に転向してから5戦して2勝。1度も掲示板を外していない堅実派でもある。平地時代も含め勝つときは鮮やかに後続を突き放していく脚力は魅力だ。
△
ノストラダムスの障害デビュー戦は障害オープン。そこで3着と健闘すると3戦目の初勝利時には2着馬に3秒以上の差をつけた。まだ粗削りな面は否定できないが楽しみな逸材だ。
△
マリオは平地4勝のち障害へと転向。2戦目に勝ち上がると、長期休養を挟んでオープン2着と地力のある所を見せている。母の父は数々の名ジャンパーを送り出してきた
オペラハウスで、母はダート
グレード競走の常連だった。スタミナはありそうなので持ち味を十分に発揮できるような展開になれば食い込みも十分に可能だ。