今週から新潟競馬場が開幕するものの、栗東所属馬の主戦場である小倉は2週にわたってお休みとなる。ということで、栗東所属馬もここ2週の新馬戦は基本的に新潟デビューを目指すことになるので、気になるのは除外になるんじゃないかという出走頭数。
芝マイルなんて頭数が多そうに思うが、昨年の初日に行われた新潟芝1600mはフルゲート(18頭)ではあったものの、除外はなかった。ただ、ダート1200mは5頭、2日目の芝1400mが7頭の除外。芝1800mは13頭立てだったから、意外と距離の短いところの方が除外になりやすいのかもしれない。
【7月30日(土) 新潟芝1600m】
◆
ラバタンシン(牡、父
エピファネイア、
母ダンスアミーガ、栗東・
寺島良厩舎)
母は現役時代に芝で5勝を挙げているが、1000万下と1600万下(現2勝クラスと3勝クラス)を勝った時が夏開催の新潟芝1600mだった。本馬について「距離は1800mくらいの中距離でもいいかなという馬ですが、広いコースならマイルでも対応してくれると思います」と
寺島良調教師。
7月21日のCWではレースでも騎乗予定の
岩田望来騎手が跨り、6F85.8秒を単走でマーク。
「少し気が入りやすいところあるので、あえて時計を出さず、単走でやりました。それでもしっかり動けていましたし、反応も良さそう。追い切り本数自体は多くありませんが、ジョッキーとも相談して、このくらいの状態でレースに向かった方がいいんじゃないかということで、ここを使います」とのこと。
7月20日のゲート練習でもしっかり反応していたということで、初戦から楽しみなタイプだろう。
【7月31日(日) 新潟芝1800m】
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ラスハンメル(牡、父
シルバーステート、
母ピンクアリエス、栗東・
松永幹夫厩舎)
きょうだいでは芝で3勝を挙げた
メサルティム(父
ディープブリランテ)が最多勝となるが、母系には昨年の
チャンピオンズCを制した
テーオーケインズ(
父シニスターミニスター)がいる血統。
本馬はゲート試験合格後に一度放牧に出されており、再入厩の形で追い切りを進めている。7月13日の坂路ではレースで騎乗予定の藤岡康太騎手が跨り、古馬1勝Cを追走して楽々と先着。4F51.5秒と好時計をマークした。
「体は大きいけど、柔らかくて軽い走りをする馬。バネが凄いですね」と
松永幹夫調教師の評価も高い。7月20日のCWではゴール前まで持ったままの手応えで6F83.4秒。いよいよ、
シルバーステート産駒の牡馬の大物が登場、といった感じがする。
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シャザーン(牡、父
ロードカナロア、
母クイーンズリング、栗東・
友道康夫厩舎)
母は現役時代に
エリザベス女王杯でG1を制した
クイーンズリング(
父マンハッタンカフェ)。2021年セレクトセール1歳セールでは、2億2000万円という高額で落札されている。
本馬は4月7日にゲート試験を合格し、その後は山元トレセンで調整。この段階からここでデビューすることを決めており、すごくスムーズにここまでの調整を進めているといった印象。
7月21日にはレースで騎乗予定の
福永祐一騎手が跨り、CWでの3頭併せ。追い比べになってから、少し反応の鈍いようなところもあったが、追ってからいい脚を使うといった感じ。中身はきっちりと出来ていると思うので、あとは実戦で気後れするようなところがなければ。
【7月31日(日) 新潟芝1400m】
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エメイヴェイモン(牝、
父ハーツクライ、
母ルシュクル、栗東・
中竹和也厩舎)
半姉に
函館2歳S、
キーンランドCを勝った
ブランボヌール(
父ディープインパクト)、半兄に函館SSなど重賞3勝の
ビアンフェ(父
キズナ)といった同厩舎で管理されているきょうだいがいる。
本馬について「トビの大きな走りは
ビアンフェに似ていますね」と
中竹和也調教師。7月6日に坂路4F52.7秒、7月14日に坂路4F52.8秒と2週続けて速い時計をマークしたので、先週の追い切りでは控えめな時計となっているが、もう出走態勢は整っている。鞍上は
福永祐一騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)