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メイショウネムノキに自らの歩み重ねる池添兼調教師=7日札幌新馬戦/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2022年08月03日(水) 18時01分
 8月2日は男勝りの活躍で重賞2勝(2010年日経新春杯京都大賞典)を挙げたメイショウベルーガが昨年、天国へ旅立った日である。その産駒は19年の弥生賞を制したメイショウテンゲン、今年の阪神牝馬S勝ちのメイショウミモザなどが現役で活躍中。そんな中、メイショウベルーガ最後の産駒となるメイショウネムノキ(牝=父ロードカナロア・池添兼)のデビューが日曜(7日)札幌芝1800メートル新馬戦に決まった。

 前出メイショウミモザもデビューは8月の札幌(芝1500メートル)。その戦績を改めて振り返ると、初勝利は翌年6月と相当な遅咲きだったわけだが、その未勝利戦→1勝クラス→2勝クラスと一気の3連勝を決めたのもまた、この夏の北海道シリーズだった。

 管理する池添兼調教師といえば、毎年のように管理馬を大挙函館に入厩させることで知られている。今年も5月末の開場から続々と入厩が進み、函館開催初日にはメイショウネムノキの半兄メイショウホーコンが所属馬としてのトップバッターを務めた。滞在して陣頭指揮を振るうトレーナーの姿は、もはや函館の風物詩と言ってもいいほどの絵になる光景だ。

 そんな池添兼調教師は来年2月いっぱいで定年を迎える。そう、メイショウネムノキメイショウベルーガ最後の産駒にして、師にとっても最後の世代となるのだ。

「引退して他(の調教師)に渡るころに良くなるんじゃないですかね」と冗談か、本音か、判別しにくい切り出しだったが、「ベルーガの子はやはりおくて。現状ではまだ緩さがあるけど、先々は必ず良くなってきそうですよ」と続けた言葉からすれば、やはり遅咲きの活躍をイメージしているのだろうか?

 6月17日に牧場から直接、函館競馬場入りして、7月1日にゲート試験に一発合格。その後も順調に調整を重ねてきたのだが…。芝でビッシリ追われた21日の追い切りでは5ハロン64.8-12.8秒と時計こそ及第点だったものの、併せた古馬1勝クラスに3馬身も後れを取ってしまった。その後に疲れも出たため、開催2週目(7月30、31日)のデビューではなく、最終週の今週にズレ込んだ経緯が…。それだけに師の実子である池添謙一が手綱を取る予定の最終追い切りで、母はもちろん、兄姉の主戦も務めた男がデビュー戦へ向けていかなる感触をつかむのかが一層、注目される。

ロードカナロアの子の割には胴の長い独特な体形をしていて、短距離向きではない。母のベルーガに近い感じでしょうか。初戦からというタイプではないので、自信があるかと聞かれれば、あるとまで言えないけどね。ベルーガの最後の子だし、できれば北海道で勝って恩返しをしたい気持ちもあります。幸い疲れも取れて、出走自体は問題なさそう。楽しみにはしていますよ」

 池添兼調教師はともに長い歴史を刻んできたメイショウベルーガの忘れ形見に、調教師としての自身の歩みも重ねている。ちなみに「ネムノキ」は日が暮れると葉を閉じることで知られるマメ科の植物。短い盛夏に入った北の大地で、いきなり花開く姿を大いに期待したいものである。

(立川敬太)

東京スポーツ

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