昭和の時代には芝コースが存在しなかった札幌競馬場の名残を残すダート重賞で、北日本に広く分布する落葉高木
ハルニレ(ジャパニーズエルム)の英語表記の一部をもらってレース名としている。夏はダートの番組が少なく、このレースに至るには同じ距離で行われる函館の
大沼ステークス、
マリーンステークスを
ステップに挑むような馬が多い。そのため人気を背負った馬がその人気に応えてくれるケースが多く、3番人気以内馬は7勝2着4回3着3回。
◎
オメガレインボーは、函館競馬場で行われた昨年の2着馬で、前走
マリーンSは1番人気4着。ス
プリントでもマイルでも、そして中距離でもあと一歩足りないレースが続いているが、ダート馬には珍しく寒い時期よりも夏の時期を得意とする。前走の
マリーンSは逃げ、先行した馬が1〜3着を占める競馬で、後方から差を詰めてきた。札幌競馬場は、函館競馬場に比べてスタートから1コーナーまでの距離が短く、またコーナー角度が緩いため逃げ、先行馬が顔をそろえるとハイペースになりやすい。今度は、この馬の末脚が怖い。
〇
ロードエクレールは
大沼S3着、
マリーンS3着。3勝クラスからオープンにクラスが上がっても、大きく崩れないほどに力をつけている。前走の
マリーンSは
ウェルドーンに追いかけられるような形になって決してマイペースではなかったが、交わされても渋太く粘っていた。昨年、同距離、同コースで行われた大通公園特別を強い内容で勝っていることから、コース適性もありそうだ。
▲
ブラッティーキッドは
報知杯大雪ハンデの優勝馬。
JRAで11戦して勝つことが出来ず園田競馬で5連勝。最下級条件からの再転入で3連勝を決めている。重賞初挑戦とはいえ、函館の2戦はともにダート1700mを1分44秒0(良)、1分44秒1(やや重)で走っており、時計だけの比較でいえば1分43秒7(やや重)の
大沼S、1分44秒0(良)の
マリーンSとそん色がない。まだ重賞レベルで揉まれていないのはマイナスで、ここは試金石の1戦となりそうだが、この馬も夏の暑い時期は得意としている。
△
スワーヴアラミスは昨年の覇者。その後、1月の
東海Sでは目の覚めるような末脚で3つめの重賞タイトルをつかみ取っている。昨年の
大沼Sでは59キロを背負って2着しているくらいだから、58キロを特別気にする必要もなさそうだ。
逃げなくても競馬ができるようになった△
アイオライトも怖い存在だが、長期休養明けを1度使われた△
ロードレガリスは500kgを超える大型馬ゆえに叩かれての上積みは大きいはずだ。反動がなければ怖い存在になりそうだ。