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藤沢和厩舎から継承された匠の技が凝縮したインスタキング=日曜札幌芝二千デビュー予定/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2022年08月17日(水) 18時01分
 今年3月に開業した蛯名正義調教師にとって、現2歳はいわゆる他厩舎からの転厩馬などではない、生粋の蛯名正厩舎所属として競走馬生活をスタートさせる最初の世代となる。次週の新潟では3冠牝馬アパパネの子アスパルディーコ(牝=父ブラックタイド)がスタンバイして話題を集めているが、今週日曜(21日)の札幌芝2000メートルでひと足先にデビュー予定なのがインスタキング(牡=父エピファネイア母アガサ)である。

 蛯名正厩舎には騎手時代から関わりが深く、技術調教師としても研さんを積んだ藤沢和厩舎(今年2月で解散)の所属馬が多いのはもちろん、同時に移籍してきたスタッフも数多くいる。その一人であり、藤沢和厩舎時代は名牝グランアレグリアの調教パートナーを務めてきた大江原助手は「藤沢(和)厩舎がそうだったように、古馬にいい先導役がいてこそ2歳、3歳馬も成長していきます。だから今の2歳がしっかり成長して、いい古馬になって厩舎を引っ張っていけるように、スタッフみんなで頑張っていきたいですね」と厩舎の将来を見据えて現2歳の仕上げと成長に精魂を込めている。

 そんな厩舎の期待を背負ってデビューするインスタキングは490キロという雄大な馬格の持ち主。先週は函館芝で古馬1勝クラスのシルバースピリットを相手に手応え優勢のまま追走併入を果たしてみせた(5ハロン68.6-11.7秒)。

「(美浦から函館への)輸送中もカイバを食べてくれたし、水もよく飲んでいました。こっちの環境にもすぐに慣れて、1頭でもきちんと調教ができるくらいです。美浦では暑さもあって、さほど速い時計は出してきませんでしたが、乗り込み量としては十分。長く脚を使えそうなタイプで力強さもある。洋芝の2000メートルは合う条件だと思います」(大江原助手)

 ちなみにインスタキングを担当するのはこちらも元藤沢和厩舎の所属でダービー馬レイデオロを担当していた本間助手。「まだ緩いところは残っていますけど、跳びが大きいし、素質はいいものがあります」と確かな手応えを感じている。

 週末にはすでに札幌へと移動。直前の追い切りには蛯名正調教師と同期タッグとなる武豊が騎乗して感触を確かめる予定になっている。藤沢和厩舎から継承された匠(たくみ)の技術とレジェンドの手綱さばきが、蛯名正厩舎の躍進に花を添えてくれそうなムードだ。

(立川敬太)

東京スポーツ

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