秋競馬開幕週の重賞はGII
セントウルS、GIII
京成杯AHだけではない。前日土曜(10日)には10・16
秋華賞トライアル(3着までに優先出走権)のGIII
紫苑S(中山芝内2000メートル)が組まれている。
実は比較的、馬券野郎が得意にしている重賞だ。何でかっていうと、1番人気がよく取りこぼしてくれるからで(苦笑)1番人気が勝ったのは…5年前の2017年
ディアドラまでさかのぼらなければならない。基本的には荒れ気味の重賞であり、ある意味、典型的な由緒正しい?
トライアルなのである。
そう、本番はこの先。1番人気に支持されるような馬は得てして「叩き台」、もしくは「過剰評価」。前者の代表例は19年の
カレンブーケドール(3着)、後者のそれは21年の
エクランドール(17着)。今年でいえば、
サークルオブライフや
スタニングローズに「叩き台」のフシがあり(両馬とも太め残りっぽい)、
エクランドールの鞍上だったルメールが騎乗する
サンカルパはどう考えても「過剰評価」だろう(気性が幼いし、2000メートルは長いし…)。
そんなわけで
ライラックに白羽の矢が立つのは自然な流れであり実際、相沢調教師も強気節を奏でている。
「函館競馬場でじっくりと乗り込んでから美浦に帰ってきた。やっぱり動くよね、この馬は。体つきは春から大きく変わってはいないけど、カイ食いはいいし、いきなりから勝負になる仕上げ。
桜花賞(16着)と
オークス(11着)はもろもろの要因で気持ちが途切れてしまっただけなんだ。(春の牝馬2冠を制した)
スターズオンアースを破った
フェアリーSからしても能力は世代トップクラス。普通に走れば勝ち負けになるよ」
トレーナーが2つ目の重賞タイトル奪取に意欲満々なら、1週前追い切りに騎乗した新たなるパートナーの戸崎圭も手応えを隠さない。
「さすがにいいバネをしてますね。重賞を勝っているのはダテではありません。ウッドで伸びやかな走りを見せてくれたし、芝ならもっと切れそうな雰囲気でした。体もきっちりとできてますね」
戸崎圭といえば、16年の当レースをテン乗りだった
ビッシュでビシッと決めた実績があるし、近2週の新潟競馬で11勝を挙げた絶好調男でもある。まさに人馬とも「買い材料」に満ちあふれているではないか。
蛇足だが、本番の
秋華賞では
プレサージュリフトというお手馬がいる(はず)だけに、戸崎圭は今回限り=目一杯の騎乗となる公算が大。もはや“買わない材料”が見当たらない秋のボーナスレースである(当方の強気節は裏目となりがちだが…)。
(美浦の大勝野郎・虎石晃)
東京スポーツ