優勝馬には
天皇賞・秋への優先出走権が与えられるレースで、別定重量のGII戦。強い馬、実力馬にとって有利な舞台設定だ。
過去10年間の勝ち馬はすべて前走で重賞競走を経験しており、中でも国内外のG1競走から挑んだ馬が7勝。特に同じ距離で行われる
宝塚記念から挑む馬は、延べ14頭中3勝2着2回3着2回と信頼度は高い。1〜3番人気馬は6勝2着7回3着5回。
◎
テーオーロイヤルは
ダイヤモンドS優勝馬で、
天皇賞・春3着。GIIIのハンデ戦を勝ったばかりで挑んだ天皇賞では
タイトルホルダーを負かしに行った分、最後は脚が上がってしまったが内容的には褒められるものだった。
デビュー直後はゲートに課題を残していたが、未勝利戦を勝ち上がった直後に挑んだ
青葉賞は0.1秒差4着。その後、ひと息入れて秋に復帰すると、どんな位置からでも競馬ができる自在性と、ロングスパートに耐えられる優れた心肺機能を武器に最下級条件戦から4連勝で重賞ウイナーにまで上り詰めた。
帝王賞に勝った
メイショウハリオの異父弟で、父は
エピファネイアの半弟で2歳王者の
リオンディーズ。今回の結果次第では、秋の主役となりえる存在だ。
宝塚記念3着から挑む〇
デアリングタクトは三冠牝馬。力強い末脚を武器に
ジャパンカップでは同世代の三冠牡馬
コントレイルにクビ差3着だった。その後、屈腱炎を発症し1年以上の休養を余儀なくされたが復活。
宝塚記念は勝ち馬には離されたものの3着。衰えがないことを示している。約5か月ぶりの実戦となった
秋華賞を制したくらいだから、休み明けに不安はなく、重馬場の
桜花賞を勝ったように重馬場も苦にしない。ここは秋のGI戦線で存在感を示すためにも恥ずかしい競馬をして欲しくない。
▲
ヴェルトライゼンデは
ワールドエース、
ワールドプレミアの半弟で、
ドリームジャーニー産駒の大型馬。
ホープフルS2着、
スプリングS2着でダービー3着だから
コントレイル世代を代表する1頭だ。
前走の
鳴尾記念は屈腱炎を発症し1年4か月ぶりの実戦となったが完勝。改めて自力の高さを示している。中山競馬場は2200mのアメリカJCC2着含み4戦して2着3回。外枠に泣かされた
皐月賞以外は堅実な成績を残しており、距離コースに不安はない。
△
ソーヴァリアントは
マジックキャッスルの半弟で、
オルフェーヴル産駒の大型馬。未勝利戦を勝ち上がった直後の
弥生賞4着、
セントライト記念2着と高い能力を示しながら
チャレンジCで重賞初勝利。
今年は飛躍の年となるはずだったが、骨折により、今回が今年の初戦となる。中山競馬場芝2200mコースは3戦して1勝2着2回。注目の1頭だ。
△
ウインキートスも中山競馬場芝2200mは3戦して昨年の
オールカマー2着含め1勝2着2回と得意としており、侮れない1頭だ。