20日から22日の3日間、北海道新ひだか町の北海道市場で、セプテンバーセールが開催された。昨年のセプテンバーセールは、上場申し込みが少なく、当初より1日短縮する形で施行されたので、2年ぶりの3日間開催。今年は、サマーセールとこのセールの上場申し込みを同時に取りまとめる試みを行ったが、販売申込者がどちらの市場に上場することが好ましいかを熟考し、サマーからセプテンバーに移った馬もいた。その点で、主催者である日高軽種馬農業協同組合(以下HBA)が、馬の成長に適した時期に上場を啓蒙しているが、サマーの上場頭数の緩和が少しずつ進んだと言える。
2019年から始まったばかりだが、
ケラススヴィアや
スティールルージュといった南関東重賞ウィナーに加え、
関東オークスと
ブリーダーズゴールドカップを連勝し、
JBCレディスクラシックを目指す
グランブリッジ(牝3歳、栗東・新谷)は、セプテンバー出身(20年310万円、金額は税別)。
アネモネSを制した
クロスマジェスティ(20年760万円)を含めて中央での活躍馬が増え、上場馬の質は高い。今年も、
クイーンSなどG32勝の
マコトブリジャールの子(牡、父
デクラレーションオブウォー)や、
中山牝馬Sを制した
クリノプレミアムの半弟(牡、父
エピカリス)と良血馬が、高額取引馬の上位にランクされた。
売却総額は19億150万円、売却率は77.78%を記録。売却総額は20年の20億1020万円に次ぐ2位。売却率は4年連続の7割超えで、レコードとなった。最高額は、初日に上場された
ウインアイスバーグ2021(牡、父
ドレフォン)の2000万円で、竹園正継氏が落札した。祖母が、
ウインブライトや
ウインエクレールなどを送り出した
サマーエタニティという優秀な牝系に、
ドレフォンとの配合が人気を博した。
マコトブリジャール2021と同じ、1700万円で高額2位タイとなった
ファービヨンド2021(牡、
父ヘニーヒューズ)は、祖母が
フリオーソの母で知られる
ファーザ。ダート種牡馬で安定の人気を誇る
ヘニーヒューズ産駒で、
地方競馬の関係者も注目する血統背景だが、尾田信夫氏が落札した。
「サマー、セプテンバーがそれぞれ上場頭数に変化が生じましたので、2つのセールが終わった時に、きっちり分析できるかと思いましたが、売却率がサマーより多少でも上回ることができたのは、良かったと感じています。将来的に、サマーとセプテンバーを同じ日数か1日違いに持っていけるよう、セプテンバーをより良い市場にするために、市場委員会などで話し合っていきます」と、古川雅且組合長は振り返った。
オータムセールを残す段階で、今年の北海道市場の売却総額は、138億4000万円で、132億1690万円を上回ることが確定した。オータムも近年は、新規馬が集まる初日に、社台ファームやダーレー・ジャパン・ファームの上場馬がいるなど注目度は高い。オータムセールは、10月17日と18日、北海道市場で開催される。(競馬ライター)
スポーツ報知