重賞に格上げされて、今回で9回目という歴史の浅いレースだが、「いちょうステークス」時代から出世レースとして名高い存在で、過去の優勝馬には
クラリティスカイや
ダノンプレミアム、
グランアレグリア、
サリオスなどが名を連ねており、来年のクラシックを占う意味でも重要な一戦だ。過去8回で1番人気馬は【3・3・1・1】で、3番人気以内馬は【6・7・5・6】。比較的堅く収まるケースが多い。
◎
ノッキングポイントは6月の東京マイル新馬戦優勝馬。スタートダッシュは1番だったが前半3ハロン36.1秒、半マイル通過が48.9秒というスローペースの流れの中、行きたい馬を先に行かせて中団追走。最後は11.4秒→11.2秒→11.1秒とゴールに向けて加速するラップだったが、自身推定33.2秒の上がりタイムで馬場の真ん中を堂々と突き抜けた。
この時、逃げて2着だった馬は2戦目にあっさりと逃げ切っておりレースレベルも悪くない。
モーリス産駒で、母は
オークス2着
チェッキーノ。血統的にはむしろ晩成タイプで、その点にやや不安は残るもののデビュー戦で見せたパフォーマンスを信頼したい
〇
シルヴァーデュークは小倉競馬場のデビュー戦3着のあと、新潟競馬場芝1800mの未勝利戦を勝ち上がった。スタートして150mくらいはハナを切るような形になったが、3番手に控え、最後はほぼ“持ったまま”で先頭に並びかけ、11.5秒→10.8秒→12.1秒という流れの中で、あっさりと抜け出した。
シルバーステート産駒で、母
シルヴァーデュークは
ラインクラフト、
アドマイヤロイヤルの半妹。母自身も2歳夏の新潟競馬でデビュー戦を勝利で飾っている。マイル適性、そして完成度は高さそうだ。
▲
ドルチェモアは8月の札幌競馬場芝1500m新馬戦優勝馬。好スタートを切ると、前半は2頭で後続を離したような格好となったが、隊列が決まるとスローに落として最後は11.5秒→11.7秒でまとめて後続を突き放した。
ルーラーシップ産駒で、母は
桜花賞馬
アユサン。
アユサンもデビュー2戦目に東京マイル重賞の
アルテミスSで2着しており、仕上がりは比較的早い方だった。
ルーラーシップ産駒だけに、本格化はもう少し先になりそうだが、豊かな将来性が垣間見えるデビュー戦だった。
△
ブーケファロスは福島競馬場芝1200m戦で勝ち上がり、
ダリア賞3着。ややゲートに不安を残すものの過去3戦いずれも出走メンバー最速の上りタイムを記録しており瞬発力勝負になれば一角崩しの期待も。東京マイルでデビュー戦を飾った△
マイネルケレリウスも成長力豊かな血統。馬格に恵まれない面もあるが、楽しみな1頭だ。