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【ジャパンC】01年ナリタトップロードに騎乗し3着の渡辺薫彦調教師、ヴェラアズールで21年前の悔しさ晴らす

スポーツ報知
  • 2022年11月23日(水) 07時00分
◆第42回ジャパンC・G1(11月27日、東京競馬場・芝2400メートル)

 ジャパンC(27日、東京)に出走するヴェラアズールは強烈な末脚を武器に前走で重賞初制覇し、有力馬の一頭に急浮上した。管理する渡辺薫彦調教師(47)=栗東=は騎手時代の21年前、ナリタトップロードで3着。当時の悔しさも胸に、人馬そろってのG1初勝利に挑む。

 21年前に愛馬の背で味わった悔しさを晴らす時がきた。渡辺調教師がヴェラアズールで国内外の強豪撃破に挑む。「ここにきてポンポンと勝ってきた馬。まだ地に足がついていないからかも知れませんが、JCだからという特別感はないですね」と上がり馬での参戦を前に心境を明かす。

 ジャパンCは騎手時代の01年に一度だけ出場した。手綱を執ったのは99年の菊花賞ナリタトップロード。後方から鋭く追い込んだが、3着に敗れた。「僕にもっと技術があれば、結果は違っていたかと…」と今でも無念そうに振り返る。

 送り込む5歳牡馬は今年3月に初めて芝に投入されると、いきなり2勝クラスを快勝。前走の京都大賞典は瞬発力勝負で2馬身半差の差し切りを決め、重賞初挑戦でタイトルを手にした。芝5戦の上がり3ハロンは全て最速。強じんな末脚を武器に、一気に本格化した。

 快進撃の要因は体質の強化にある。1歳秋に左後脚球節を骨折。ほかにも骨りゅうが出るなど不安がつきまとった。「大事な育成期間に半年くらい乗れなかったんです」とトレーナー。3歳3月のデビュー後も脚元への負担を考慮してダートへの起用が続いた。今春になってようやく強い調教に耐えられるようになり、陣営は主戦場を移す決断をした。

 この中間の調整はすこぶる順調だ。17日に栗東・CWコースで1週前追い切りを消化。余力十分に79秒9―11秒4の好タイムをマークした。「状態が上がっている感覚があります」とトレーナー。トップロードと同様に雄大なフットワークを持ち味にしており「広い東京コースは合うはず」と手応えをにじませた。

 「レースで騎乗歴がある調教師のV」となれば、岩元市三・元調教師(81年ラフオンテース騎乗、00年管理馬テイエムオペラオーで優勝)に次いで2人目の記録となる。かつてのパートナーは何度負けても強いライバルに真っ向から挑み続け、その姿が多くのファンに愛された。「立場が違うのでリベンジではないですけど、頑張ってほしいですね」。渡辺師は歴史に残る名勝負になることを期待して、遅咲きのエイシンフラッシュ産駒を送り出す。(吉村 達)

 ◆渡辺 薫彦(わたなべ・くにひこ)1975年4月5日、滋賀県出身の47歳。94年3月に栗東・沖芳夫厩舎所属で騎手デビュー。JRA通算7262戦339勝。重賞はナリタトップロードで制した99年菊花賞のG11勝を含む10勝。2012年12月に引退して助手を経て14年、調教師試験に合格。16年3月に栗東で開業した。22日現在、JRA通算1771戦119勝。重賞はシゲルピンクルビーの21年報知杯フィリーズレビューなど3勝。

スポーツ報知

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