いよいよ2022年ラスト開催が始まる。2歳GIは次週からとなるが、今週行われる
葉牡丹賞(12月3日=中山芝内2000メートル)は1勝クラスながら、
ホープフルS、
皐月賞と同じ舞台で行われる重要な一戦。16年に後の
日本ダービー馬
レイデオロが制したのをご記憶の方も多かろう。
18年の
有馬記念を制した
ブラストワンピースの全弟としてデビュー前から注目度の高かった
ブラストウェーブ(牡・大竹)。今年はこの良血馬が飛躍の足掛かりにする予感に駆られている。
新馬勝ち後に挑んだGIII
札幌2歳Sでは5着に敗れたが、「競馬の仕方ひとつで(着順が)変わったのかなと思っています。しかも4角で他馬とぶつかりましたから。期待値が高い分、競馬でも注文がついてしまう感じですが、自己条件で仕切り直しを、と考えています」と大竹調教師。先行激化に加え、不利も重なった当時の結果が実力負けではないと強調した。
この中間は放牧を挟んで順調な調整が続いている。24日の1週前追い切りでは新コンビとなるマーカンドが手綱を取り、南ウッドで今週のGIII
チャレンジCで連覇を狙う
ソーヴァリアントとの併せ馬を敢行。古馬重賞勝ち馬の迫力に屈することなく食らいついて併入に持ち込み、6ハロン81.9-11.8秒の好時計をマークしてみせた。
「マーカンドは“特徴は確認できた”と話していました。頭の高い走方なんかは兄に似ているんですが、先に言っておいたのもあるとはいえ、“問題ない”と。今、振り返ると、
札幌2歳Sの時はまだ緩くて、1週前追いでも動き切れていなかった。今回のほうが全然いいですね。さすがに
ソーヴァリアントには(手応えで)負けましたが、いい調教ができました」と大竹調教師は満足げ。
マーカンドも「大きな馬なのでエンジンがかかるまでの反応が少し鈍い感じはしましたが、状態自体は良さそう」と口にした後、兄
ブラストワンピースが
凱旋門賞に挑戦(19年11着)したほどの馬だということに触れると「確かに“何かを持ってそう”な感じはしますね。現時点ではまだ子供ですが、今後どう成長していくかが大事なことですし、願わくば兄のように成長してほしい」と期待を寄せていた。
異国の名手にさえ“何かを持ってそう”と言わしめた
ブラストウェーブ。その答えが今週末の走りで早くも明らかになるのか、大いに楽しみにしている。
(立川敬太)
東京スポーツ