海の向こうで開かれる12月の一大イ
ベント、香港国際競走が明日に迫った。日本馬は4競走に14頭が出走する。馬券発売は当日のみだが前日から、じっくり検討したい読者の皆さんにたっぷり現地発の情報をお届けする。
香港カップに出走する
パンサラッサ(牡5=矢作)が追い切りを披露。本番へ向けて気合が入ってきた。
金曜朝のシャティン競馬場。多くの日本馬が軽いメニューに終始する中、
パンサラッサはスピード感たっぷりにオールウェザーコースを駆け抜けた。全体時計は6F88秒8ながら、ラスト2Fは24秒6の好時計。全身からあふれるエネルギーを抑えるのに必死という様子だった。矢作師は「前走の
天皇賞・秋(2着)は少し重さがあり、良くなる途中だと感じていた。今回は疲れもなく、前走と比べたらいい状態に持ってくることができている」と状態面への自信を隠さない。
国内では函館、新潟を除く
JRAの8場に出走済み。3月
ドバイターフは海外初遠征でいきなり自身のG1初勝利を手にした。遠征経験豊富な矢作厩舎の手腕に支えられ、どんな環境でも能力を発揮してきた。初めて訪れた香港の環境にもすっかり慣れた様子で、師は「来た当初はカイバが不安定だったが、今はしっかり回復している。気合が乗って元気たっぷりです」と胸を張った。
宿敵
ジャックドールとは3戦連続での激突。マークを受けた2走前・
札幌記念(2着)は最後に差されたが、前走の
天皇賞・秋は大逃げで主導権を握った。今回も2頭の対決に注目が集まるが、師は「この間みたいな競馬ができればと思います。意識は?と聞かれてもうちのは自分の競馬をするだけなので」と泰然の構えだ。くしくも2頭の父は
ロードカナロアと
モーリス。香港G1で名を売った偉大な父たちの意地もぶつかり合う。
逃げて香港を沸かせた日本馬といえば
エイシンヒカリ。15年
香港Cを逃げ切り、16年は後続を大きく引き離した瞬間にシャティン競馬場が大歓声に包まれた。矢作師は「失うものは何もない。敵は彼自身」と6年前の再現を示唆。付いてくるなら、付いてこい。日本競馬のトップスピードを見せつける。
スポニチ