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きょう7日が命日…名馬イナリワンを回想

  • 2023年02月07日(火) 13時25分
 平成元年の競馬は熱かった。桜花賞武豊シャダイカグラが出遅れからの逆転V。マイルCSではオグリキャップが驚異の巻き返しでバンブーメモリーとの一騎打ちを制した。そんな1年の締めくくりとなる有馬記念オグリキャップスーパークリークを倒し、平成最初の年度代表馬に選ばれたのがイナリワンだった。

 86年に地方・大井でデビューすると破竹の8連勝。87年の東京王冠賞、88年の東京大賞典などビッグレースを次々に制し、89年に中央へ移籍した。初戦のすばるSが4着、阪神大賞典が5着と連敗したが、武豊に乗り替わった天皇賞(春)でGI初制覇。続く宝塚記念では10番人気のフレッシュボイスとの一騎打ちを制し、GI2連勝とした。一転、秋は毎日王冠が2着、天皇賞(秋)が6着、ジャパンCが11着と苦しんだが、名誉挽回を期して有馬記念に参戦する。単勝はオグリキャップが1.8倍で圧倒的な1番人気。2番人気はスーパークリークで3.1倍、3番人気はサクラホクトオーで12.6倍。イナリワンは16.7倍の4番人気だったが、レースでは先に抜け出したスーパークリークをゴール寸前で鼻差とらえ、3つ目のGIタイトルを獲得。文句なしの成績で年度代表馬に選ばれた。

 91年から種牡馬となると、地方でツキフクオーイナリコンコルドなどの活躍馬を輩出。中央でもシグナスヒーローが重賞の名バイプレーヤーとして存在感を見せた。04年の種牡馬引退後は繋養先を転々としたが、最後は北海道屈指の観光地として知られるトマムリゾートの程近く、北海道占冠村のあるぷすペンションで悠々自適の日々。そして8年前の16年2月7日、老衰のために32歳で死んだ。大往生だった。

 イナリワンの血を引くJRAの現役馬は3頭。いずれもJRAで3勝を挙げたワンダーアロマ(母は重賞2勝のラブリースター、姉は桜花賞馬のワンダーパヒューム)の血を引いている。ワンダーウィルク(牡4、栗東・今野貞一厩舎)は昨年8月の地方交流で初勝利。昇級戦で2着に来たので、2勝目を挙げる日もそう遠くないだろう。さらに、ウィルクの弟のワンダーエッジ(牡3、栗東・石坂公一厩舎)も先週の新馬で2着に好走したので、先々が楽しみだ。また、ワンダーミズ(牝3、栗東・牧田和弥厩舎)も3戦して4着が最高だが、初勝利を目指している。願わくはこの中から活躍馬が出て、イナリワンの血を次代につなげてほしい。

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