伝統のG2「第116回
京都記念」の追い切りが8日、東西トレセンで行われ、昨年のダービー馬
ドウデュースは栗東ポリトラックで軽快なフットワークを披露。昨秋の
凱旋門賞19着以来だが中間は豊富な乗り込みで好仕上がり。次戦の
ドバイターフに向け、結果が求められる。
全力疾走は本番だけでいい。昨年のダービー馬
ドウデュースは負荷をかけすぎず、上がり重点でポリトラックを駆け抜けた。ゆったりした入りから外ラチいっぱいを回って直線へ。残り1Fで前川助手が促すとグイグイ脚を伸ばし、6F82秒2〜1F11秒2を軽々と刻んだ。身のこなしが柔らかく、この馬らしい全身を使った大きなフットワーク。ここ2走は海外遠征のため、ポリトラックでの最終追いはダービー以来となる。友道師は「サラッとしまいを伸ばす感じ。全体時計は速くなかったが最後の反応は良かったし、追うごとに体も締まって元気いっぱいです」と納得の表情だ。
歴史に名を刻もうと海を渡った昨秋の仏遠征。前哨戦のニエル賞4着、
凱旋門賞19着と欧州の壁は分厚かった。指揮官は「
凱旋門賞は(レース直前に降った)雨の影響もあったと思うが、心身とも日本にいる時とは違った」と海外初遠征で精神の乱れがあったという。帰国後は疲れがすぐに回復し、
ジャパンC参戦プランも浮上したが焦らず、年内休養へ。友道師は「オーナー、
武豊騎手と話して春の目標は
ドバイターフ(3月25日、メイダン)、前哨戦を
京都記念に決めました」と説明。昨年の経験を糧に今年も世界に照準を合わせる。
デビューからコンビを組む
武豊は1週前追い(CWコース6F80秒3〜1F11秒2)で
凱旋門賞以来、相棒の背中にまたがった。
武豊は「相変わらず走るな、と思った。ダービー馬の風格がある。2歳チャンピオン(21年
朝日杯FS)になって、ダービーも勝って、いろいろな夢を実現してくれている。この馬でレースに出るのが楽しみです」と期待を膨らませる。
武豊は06年
シックスセンス、07年
アドマイヤムーン、12年
トレイルブレイザー、13年
トーセンラーで
京都記念をV。勝てば元騎手の高橋成忠氏(元調教師)に並ぶ最多5勝となる。「休養を取って仕切り直しの一戦。次は
ドバイターフだとハッキリしているし、そこにつながる内容で結果を出したい」と鞍上は力を込めた。ダービー以来の国内戦。ファンの前で力を示し、胸を張って再び海を渡る。
《ダービー馬75年ぶりVへ》ダービー馬の
京都記念出走は21年5着
ワグネリアン、22年11着
マカヒキに続いて3年連続。21世紀に入ってコンスタントに出走しているが意外に勝ち星がなく、距離が3000メートルだった48年春(83年まで春と秋の年2回実施)に
マツミドリが勝って以降、延べ13頭が出走して未勝利となっている。この間、54年春の
ボストニアンと01年
アグネスフライトの2着が最高着順。
ドウデュースが勝てばダービー馬による75年ぶりの
京都記念Vとなる。
スポニチ