「ス
プリングS・G2」(19日、中山)
2番人気の支持を受けた
ベラジオオペラが、最速タイの上がりで力強く差し切り、無傷3連勝で重賞初制覇を飾った。管理する
上村洋行調教師(49)=栗東=にとっても、開業5年目でのうれしいタイトル初奪取となった。2着に3番人気
ホウオウビスケッツ、3着には8番人気
メタルスピードが入り、この上位3頭が
皐月賞(4月16日・中山)の優先出走権を獲得した。
重馬場をものともせず、
ベラジオオペラが馬場の真ん中を突き抜ける。デビューから無傷の3連勝。強じんな末脚で堂々と
皐月賞に名乗りを上げた。
新馬戦と
セントポーリア賞の2戦で見せた、上がり3F33秒台の瞬発力が身上。それだけに前日の雨でぬかるみ、荒れて力のいる状態になった馬場の攻略が最大の鍵だった。
「こういう馬場状態で、どういう競馬をするか。この枠(4番枠)なら好位のインでと思ったけど、この馬場では…」と上村師はレース前に考えを巡らせたが、手綱を任された横山武は先行したい馬を行かせ、出せるタイミングで外へ誘導するために中団で脚を温存して直線にかけた。
その作戦は見事に的中。上がり3Fはメンバー最速タイの35秒7。荒れ馬場にも自慢の切れ味は全くそがれなかった。「この馬の武器は前走で把握していたので、それを殺さないように。前走は2番手でしたが、前に行かなくても競馬ができる賢い馬なので」と横山武はしてやったりだ。
開業5年目での重賞初制覇となった上村師は「もう一歩まで来ていたけど、なかなか。この馬でと思っていたので、うれしいです」とホッとした表情。「本来は良馬場の方がいい馬。この馬場で思った以上に強い競馬だった。能力は高いですね」と改めて素質の高さを感じていた。
無敗のまま挑む第1冠。横山武には先約があるためコンビ継続は難しい。「そこが頭が痛い」と指揮官は苦笑するが、無傷3連勝の実績を引っ提げ、1カ月後の中山に自信を持って乗り込む。
提供:デイリースポーツ