昨年、絶好調だったG1企画「展開王」が今春も正解を導き出す。ハナを奪うであろう有力馬
ジャックドールが刻むペース、それに伴う各馬の動きを推理する。豪華メンバーがそろった、この中距離G1は栗東取材班の坂田高浩記者が担当。悲願のG1初制覇を狙う、あの馬に◎を託す。
展開の鍵を握るのは
ジャックドールで間違いない。番手でも結果を出しているが、確たる逃げ馬が見当たらない以上、主導権を握るだろう。昨年は逃げ馬
アフリカンゴールドがいて締まった流れになったが、今年は不在でマイペース濃厚?いや、そうでもない。マイペースでハナに行かれてしまえば、実力馬だけに逃げ切られてしまうという意識が後続に働き、2番手の
ノースブリッジがプレッシャーをかけにいく。内回りのコース形態上、各馬が早めの仕掛けになりがちで、直線には急坂が待ち受ける。そこで差し馬にチャンスが生まれる。
G1に昇格した17年以降の
大阪杯の枠順成績は3〜4枠が【3・3・1・14】(連対率29%)と好成績。昨年は4枠8番の
ポタジェが好位から馬群をさばいて差し切ったが、まさにあの形が理想的。後方一気では、よほど展開がはまらないと厳しい。2番手
ノースブリッジの後ろで脚をため、抜け出しそうな馬――。そのイメージで浮上するのが3枠6番
ヴェルトライゼンデだ。
一昨年以降の5戦が全て1〜4枠の“ミスター内枠”だが、昨年の
ジャパンCのように馬群が固まって窮屈な場面でも、進路を見つけて抜け出してくる。昨年よりはペースが遅めで、馬群がばらけないだろうが、今年も全国リーディング首位を走る川田がVロードに導き、それに応えるだけの機動力がある。何より前走・
日経新春杯でトップハンデ59キロを背負いながら、首差の接戦を勝ち切った勝負根性がある。直線、外に出してエンジン全開の
スターズオンアース、
ヒシイグアスの猛追を振り切り、戴冠ゴールに飛び込むはずだ。
スポニチ