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ナイスネイチャ 引退馬支援の寄付金は超G1級!“善戦ホース”がウマ娘で人気再燃

スポニチ
  • 2023年05月05日(金) 05時15分
 1990年代に活躍した競馬界きっての個性派ナイスネイチャシンボルとする引退馬支援の寄付金が4日までに5670万円を超え、過去最高額を更新した。その規模は2017年の第1回から実に300倍。急速に支援の輪が広がった背景には、競走馬を擬人化した育成ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の人気があった。(前田 拓磨)

 集まった寄付金は4日午後4時時点で5674万円を突破。15日の締め切りを前に、昨年の5412万7293円を上回り過去最高となった。支援を募ったNPO法人「引退馬協会」の沼田恭子代表は「うれしい驚き。同時に責任を感じています」と感謝を口にした。

 同馬は90年にデビューし、96年の引退まで41戦7勝。重賞を4勝したが、それ以上に91〜93年の有馬記念で3年連続3着になった「ブロンズコレクター」としてファンの記憶に残る一頭となった。01年の種牡馬引退後は「引退馬協会」の“広報部長”として協会の活動に貢献。協会は引退馬支援の輪を広げようと、17年にナイスネイチャの誕生日(4月16日)に合わせて募金活動「ナイスネイチャ バースデードネーション」を開始。以降、毎年行ってきた。

 初回は目標50万円に対し19万8500円。潮目が変わったのが21年だ。ナイスネイチャが「ウマ娘」に登場。庶民的で善戦止まりという、いじらしいキャラクターが新規ファンを掘り起こし人気が再燃。現役時代を知らない人たちに募金の輪が広がり21年は前年の20倍増となる3582万9730円が集まった。昨年、今年とさらに寄付金は増加した。

 G1では勝ちきれない善戦ぶりが愛されたナイスネイチャの引退後の思わぬ活躍。現役時代に主戦を務めた松永昌博調教師は本紙の取材に「なかなか勝てなかったけど凄いね。ありがたいこと」と驚いた。

 引退馬の約6割に当たる約3700頭の行方が毎年分からなくなるとされる。種牡馬になってもシンジケート(共同所有)が解散されると、行き場を失うケースも少なくない。近年JRAは引退馬支援に力を入れており、ウマ娘効果で「引退馬」への関心は急速に高まっている。

 沼田代表によると、寄付金はほかの引退馬の支援に使われており、直近2年分で30頭に上る馬が救われた。中には天皇賞春秋連覇のメイショウサムソン、ダービー馬ディープスカイなど複数のG1馬も含まれている。「多くの人が興味を持って参加するという意味では社会現象的なものがある。馬が生きる最後までを考えることが当たり前になっていけば」と沼田代表。今年は地方重賞を勝った引退馬にも救いの手を伸ばす予定。G1を一度も勝つことができなかったナイスネイチャが引退馬支援のトップランナーとして走り続ける。

 ▽ウマ娘 Cygamesが展開する、アニメやゲームなどのコンテンツ。18年にアニメ版が放送され、21年にはゲーム版のサービスが始まった。同時期に放送されたアニメ2期もヒットし、ブームに火が付いた。同年の流行語大賞ノミネート30語に選出された。ゲーム版は1800万ダウンロードを達成。米調査会社の発表によると、23年3月で世界累計収益が約2650億円を突破した。

 《生まれ故郷でのんびり》現在35歳で人間に換算すると100歳を超えるナイスネイチャは、生まれ故郷でもある北海道浦河町の渡辺牧場でけい養されている。場長の渡辺健太さんによると、特に健康に問題はなく「縁側のおじいちゃん」のように穏やかな日々を送っている。薄かった両前足の蹄には特殊装蹄が施され、足元も万全。穏やかな余生を満喫している。

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