今年の障害未勝利では、平地のオープン馬が続々と勝ち上がっている。この中から重賞戦線、さらにはJGIで活躍する馬が出てくるのか。ハードル界のスター候補を紹介したい。
平地の重賞ウイナーで、かつ1月に障害初勝利を挙げた馬は2頭いる。まずは18日の中山で勝ち上がった
ヒートオンビート(セ8、美浦・
青木孝文厩舎)だ。
友道康夫厩舎に所属して芝中長距離戦線で活躍し、23年の
目黒記念で重賞初制覇。その後は勝利から遠ざかったが、青木厩舎への転厩初戦、かつ初障害となった一戦で1年8カ月ぶりの勝利を手にした。名手・
石神深一騎手とのコンビで、平地では届かなかったGIタイトルを目指す。
続いては26日の小倉で初勝利を挙げた
モントライゼ(牡7、栗東・
松永幹夫厩舎)だ。20年の
京王杯2歳Sの覇者。3歳夏以降は勝ち負けに加われないレースが続き、早熟のイメージだったが、ここで諦めなかったことが吉と出た。昨秋の障害初戦は6着だったが、2戦目で悠々の逃げ切りを果たし、実に4年2カ月ぶりのウイナーズサークルとなった。距離が延びてどうかがカギだが、先々が楽しみな素材であることは間違いない。
さらに19日の中山で勝ち上がった
ディナースタ(牡6、栗東・
辻野泰之厩舎)は平地4勝馬であり、23年の
大阪杯を制した
ジャックドールの半弟だ。また、25日の小倉で障害初勝利の
ドゥラモンド(牡7、美浦・
手塚貴久厩舎)は2歳時にデビュー2連勝。
朝日杯FSでは
武豊騎手を鞍上に迎え、5番人気に支持されたほどの期待馬だった。
障害界の最高峰は4月の
中山GJと12月の
中山大障害。
中山GJまでは残り2カ月ほどしかないものの、昨年連覇を飾った
イロゴトシに至っては、2年前に初制覇を果たす前の障害初勝利が同年2月だったので、ここから一気の戴冠も無理筋ではない。何はともあれ、彼らがハードル界を大いに盛り上げてくれることを願いたい。