「
青葉賞・G2」(26日、東京)
調教スタンドの階段を1段飛ばしで軽やかに駆け下りていく。14日に70歳を迎えたばかりの国枝師が口を開く。「最後のダービー?高いからな、ダービー切符は(笑)。よし、頑張ろう!」。来春に定年を迎える関東の名伯楽が、いまだ勝てていない競馬の祭典に参戦するべく力を込めた。
トライアルには2頭出しで臨む。
アマキヒは自らが手掛けて牝馬3冠を制した
アパパネを母に持ち、異父姉に21年
秋華賞馬
アカイトリノムスメがいる厩舎ゆかりの良血馬だ。前走の自己条件で2勝目を挙げた
アマキヒに、指揮官は「先手を取ろうと思っていたら出遅れちゃって。途中からまくったけど、最後までよく我慢してくれた。ただ、あんな強引な競馬だと難しい。今度はスタートを決めて好位で流れに乗りたいね」と先行策をイメージした。
ガルダイアは前走の
毎日杯を逃げて2着。トレーナーは「随分まともになってきた。ケイコでも落ち着いて走れるようになっている」と精神面の成長を感じ取った。馬は16日に放牧先から帰厩。「10日競馬になるけど、特に変わったところはない。スタミナはあるし、前走で折り合いもついた。距離が延びるのは大丈夫だよ」と府中二四の舞台を歓迎していた。
ダービー制覇を目指して歩んできたトレーナー人生。最後の春、長年の思いを託す2頭の秘蔵っ子が、夢舞台のチケットをつかみ取る。
提供:デイリースポーツ