今週末、東京競馬場では
ヴィクトリアマイル(G1)が行われる。20年、このマイルG1を制したのが
アーモンドアイだった。2年前の18年には牝馬3冠に加え、
ジャパンC(G1)を驚異的な(当時の)
レコードで制覇。翌19年には中東へ遠征、
ドバイターフ(G1)を勝利すると、帰国後は
天皇賞・秋(G1)も優勝した。この実績を考えれば、牝馬限定戦の
ヴィクトリアマイルを勝つのは当然にも思えるが、実はそう簡単な話ではなかった。
前年の
ラストランとなった
有馬記念(G1)で掛かってしまい、まさかの大敗を喫した。捲土(けんど)重来を期し、連覇を狙って
ドバイへ飛んだ。しかし、ここでア
クシデントに見舞われる。折からの新型コ
ロナ騒動で予定されていた
ドバイの競馬が中止となり、
アーモンドアイは無駄に中東を往復する形となった。そして、帰国初戦となったのが、この
ヴィクトリアマイルだった。
「こんなことはもちろん、初めての経験でした。復路の飛行機便も少なくバタバタしたので、無事に帰国できた後も状態が心配でした」
この最強牝馬を管理していた国枝栄調教師(現厩務員)は当時、そう語っていた。ところが、そんな不安を吹き飛ばしたのは、他でもない
アーモンドアイ自身だった。再び、国枝師の弁。
「帰国後、競馬学校で検疫をしたのですが、一緒に戻ってきた
カレンブーケドールはカイバを食べなくなり、げっそりしてしまったのに対し、
アーモンドアイは前年にも遠征を経験していたおかげか、元気いっぱいでした」
これなら
ヴィクトリアマイルに使えると判断し、出走を決断。すると、好位を進んだ
アーモンドアイは直線で堂々と抜け出した。2着
サウンドキアラに4馬身差をつけ、改めてその力を証明した。「牝馬同士なら一枚も二枚も上でしたね」。そう言ってほほ笑んだ国枝師の笑顔が忘れられない。 (フリーライター)
スポニチ