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スポーツ報知・記者コラム「両国発」
競馬場を華やかに走る
サラブレッド。そこにたどり着くには、表にあまり出ることがない多くの力がなければ成り立つことはない。
原点でもある種付けで種牡馬の安全を守る“当て馬”にフォーカスした『あてうま白書』を描いた漫画家の高草木(たかくさぎ)こぶさんは、浦河の牧場で勤務した経歴を持つ。牧場の仕事は毎日のように馬房掃除や手入れなど地味な作業が多い。当時、場長から「馬ってすぐに死んじゃうから」と打ち明けられたが、その意図は
ショッキングなワードとは違うものだった。「毎日きれいにしても1勝もできないかもしれない。けど、けがや病気の
リスクを1ミリでも減らすことができれば、この子が1走でも1日でも長く生きられるかもしれない。意味があるのかなと思うことにも意味があると思って頑張ってほしい」。表舞台だけでは知りえなかった事実。この会話が今でも最も印象に残っているという。
その影響もあって「競馬の見えにくいところを知ってもらいたい」をテーマに作品と向き合っている。冒頭に紹介した主人公の当て馬は、種付け前に牝馬の発情を確かめ、安全に種牡馬が種付けをできるかを判断する、いわば究極の縁の下の力持ち。作中では【プロフェッ
ショナルな童貞】と
キャッチーなフレーズで紹介され、多忙で嫌になりそうな種牡馬を諭す場面などが
コミカルに描かれている。スタリオンで勤務した私も「こんなふうに思っていそうだな」と、ついクスッと笑ってしまう作品。今後は馬に携わったり、支える人も書いていきたいという高草木さん。独自の視点で競馬の魅力を発信している。(
中央競馬担当・浅子 祐貴)
◆浅子 祐貴(あさこ・ゆうき)2024年入社。
中央競馬担当。北海道では主に競走馬育成を行い、種付けや生産にも携わる。
スポーツ報知