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岡田氏が語るコスモオオゾラ&柴田大知/美浦トレセンニュース

  • 2012年04月11日(水) 20時00分
 皐月賞に出走予定のコスモオオゾラ(高橋義博厩舎)に騎乗する柴田大知騎手。マイネル・コスモ軍団への騎乗数も多く、昨年は中山グランドジャンプマイネルネオスを優勝に導いている。そして、今年はコスモオオゾラで、クラシック戦線に名乗りをあげた。平地、障害問わず、活躍が目覚しい柴田大知騎手について、ビッグレッドファームの岡田紘和氏に話を伺った。

「大知君をよく起用していたミルファームの清水社長の紹介で、彼と私の父(岡田繁幸氏)が会ったという話を耳にして、それから私も、彼の騎乗を注目するようになりました。その当時は、乗り鞍がさほどありませんでしたが、話をしてみると、とても真面目で、こちらの話をよく聞いてくれますし、また質問も返してきてくれるんです。向上心もある上に、繊細さも持ち合わせているように感じましたし、騎乗を見ていますと、身体能力にも優れているなという印象を持ちました。

 ウチのスタッフを通じて、レース前に馬の特徴をジョッキーに伝えることがあるのですが、その時もこちらの話に真剣に耳を傾けてくれて、大知君からもやはり質問が返ってくるようです。実際にレース振りを見ましても、こちらが伝えたことに配慮した上で、最後まで諦めないで乗ってくれているというのがヒシヒシと伝わってきますので、その点は素晴らしいなと思いましたね。

 そうしているうちに、大知君の中でも、多分、競馬に対する認識が変わったと思うんですよ。どんどん成績も良くなってきましたし、それだけ乗れるなら、こちらももっと良い馬を… という感じで、騎乗頭数も増えていきました。

 コスモオオゾラも、共同通信杯こそ5着でしたが、弥生賞では恐らく、皐月賞への出走権利を取れるのではないかと期待をしていました。そしてその期待通りに、好位置でうまく折り合わせてくれて、本当にいい競馬をしてくれました。良馬場の切れ味勝負になったら、ディープインパクトをはじめとするサンデー系の産駒たちの方が有利だとは思いますが、今の中山の馬場はだいぶ荒れていますから、オオゾラには向くのではないでしょうか。

 折り合いがつく馬ですから、スローでも大丈夫でしょうしね。それにこの馬の強味は、乗り役に素直に従うところと、バテないところですから、秘かにダービーも期待しているんですよ(笑)。ただ、牧場時代は坂路コースではあまり動かなくて、ここまで走るとは思わなかったものですから、クラシックの1次登録をしていなくて、追加登録をしたんですけどね(笑)。

 大知君は、障害と平地、どちらも活躍していますが、マイネルネオスの昨年の中山グランドジャンプの時も、とても気を遣ってくれているのが、レースを見ていて、よくわかりました。ポジション取りも、すべてうまくやってくれましたからね。もちろんレースは生き物ですから、想像通りに行くとは限らないのでしょうけど、それでも、これで負けても悔いはないというくらいのレースをしてくれました。

 ともかく最近の大知君を見ていると、内面の強さと表に見せる強さのバランスが取れてきて、ますます充実しているように感じますから、皐月賞でも頑張ってほしいですね」

 終始、柔和な表情でインタビューに答えてくれた岡田紘和氏。その穏やかな語り口からは、柴田大知騎手への信頼の厚さがしっかりと伝わってきた。(取材:佐々木祥恵)

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