ダービージョッキーの称号も、母子クラシック制覇の快挙も、あと2完歩のところで、夢と散った。
皐月賞に続きダービーでも、
エピファネイアは同じ半馬身差の2着。
武豊がファンの祝福に包まれていたころ、検量所で馬を止めた福永は「フゥー」とため息をついた。
「いい手応えで抜け出して、これならと思ったんだけど。最後の最後で…。あと一歩のところまで、いっていたんですけど、あの馬の有り余る闘志をうまくコントロールできなかった」。前走同様に、今回も行きたがった。中団の内ラチ沿いで前に馬を置いて運んだが、なかなか力みが消えない。さらに追い打ちを掛けるように、3角で
バランスを崩し、落馬寸前のアク
シデント。角居師が「ちょっとつまずいたのが、かわいそうでした」。敗因の一つに挙げたほどの不利に見舞われた。
それでも人馬はあきらめなかった。歯を食いしばり、
母シーザリオが
オークスで見せたように、直線は馬群を縫って進出。栄冠を手にしたかに見えたが、最後は
キズナの豪脚に屈した。ソエの影響で最終追いは坂路で馬なり調整。大一番へ全てが順調に運んだわけではなかったが、大器の片りんを見せた。「あれだけ掛かっていたのに、あらためてすごい馬。だけど僕が至らなかった」と悔しさをにじませた。
提供:デイリースポーツ