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人気急上昇!エイシンヒカリ「普段は人懐こいんですよ」

  • 2014年10月21日(火) 18時00分
 アイルランドトロフィーを逃げ切り勝ちしたエイシンヒカリ(牡3、坂口則厩舎)に注目が集まっている。直線が長く逃げ馬不利とされる東京の芝2000メートルを逃げ切っただけでなく、ラストは大外のラチに向かって逸走気味に大外まで膨れた。これほどの破天荒な競馬をしながらも、2着に3馬身半も差をつけての圧勝。これほど強く、かつ個性的な馬は珍しい。

 さっそく、エイシンヒカリの馬房を訪ね、その素顔に迫ったところ…。気性が荒い馬なのかと思いきや、予想に反して物静かだった。

「ふだんは大人しいし、人懐こい。噛み付こうとするときもあるけれど、決して本気でなく遊び程度にじゃれてくるだけ」と担当の中村助手。実際にエイシンヒカリと中村助手のやりとりを見ていたら、ちょっとした隙にエイシンヒカリが中村助手の腕や服に顔を摺り寄せていた。時折、取材中のこちらにも顔を寄せてくるが、やはり噛むようなアクションはなく「かまって」といわんばかりに顔を寄せ、首をふるばかりだった。

「ホント、可愛いですよ」

 ただし、これはオフの素顔。競馬でスイッチが一度“オン”に入ると、その勢いは止まらない。
「装鞍所までは大人しいんですが、パドックに向かう地下道へ入ると気持ちにスイッチが入る。今回もそうでしたが、ジョッキーがまたがると完全に戦闘モードに入ります」

 それゆえに、競馬では毎回体力も気力も使うようで「決して、ケロッとして上がってきたことはない」とのこと。
「今回もスタートは早いし、そのまま行ってしまった。これまでは右回りの競馬ばかりだったし、前で競馬する分、隣にラチをみながらレースを進めることができましたが…」

 豪快な逃げっぷりはサイレンススズカを、あの逸走は今年のドイツダービーの直線入り口で外ラチへ向かっていったシーザムーンを思い出させた。
「今回は直線で右手前にかえてから“ああいう”走りになりました。2頭分をまとめて再現するような競馬になってしまいましたね(苦笑)」

 毛色は黒いが、顔や首筋に芦毛特有の真っ白な毛がポツポツと生えてきている。愛嬌のある黒目がちな瞳。あの激しい競馬っぷりと、普段の可愛らしい様子。とても同じ馬とは思えないほどのギャップを感じさせた。次走は未定とのことだが、今後も超個性的なエイシンヒカリから目が離せない。(取材・写真:花岡貴子)

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