天皇賞・春を制した
ゴールドシップは、勝利から一夜明けた4日、自厩舎の馬房で過ごした。
昨晩は午後6時半ごろ帰厩。「渋滞もなくスムーズに帰ってこられました」と今浪厩務員。レース後は目立った疲れもなく、元気いっぱいだ。「あれだけ走ったから幾分疲れていたけど、昨晩のカイバもペロッと食べていましたからね」
天皇賞・春では、ゲートからゴールまで、終始“主役”だった。
「
阪神大賞典で(ゲートへの)寄りが悪かったから、薄々幾分か悪いかな? と思っていたけれど、天皇賞であれだけ悪いとは思わなかったですね」
今浪厩務員はゲートへついていったため、レースは移動のバスの中で観戦した。
「無理していかせようとすると、嫌がる馬。横山典さんはスタートした瞬間こそ行こうとしたが、すぐに切り替えてやめた。1枠1番だし、どうしても“前につけていい位置につけたい”と思ってしまうところ。でも、あえてしなかった。その瞬時の判断は凄い。さすが、うまいねんなぁ。
スタンド前でもいい場所にいて、そこから上がっていった。上がっていったときは、ちょっと今日は早いんじゃないか、と思ったけれど、3、4番手についてからひと息入れたように見えたから少しは辛抱してくれると思った。ゴールまで辛抱してくれてホッとしました。普通の馬ではあんな競馬はできない」
ゴールドシップは気分よく追い出したら、強い。「あいつの走る気分をさまたげさえしなければ、走ってくれる。自分の競馬さえすれば強い馬だからなんとかなるとは思っていたけれど」
天皇賞・春を制し、GIは6勝目。次走は
宝塚記念でGI7勝目を狙う。
「全然、年を感じない。若馬みたい。この馬を担当させてもらって、ほんまに幸せ」。今浪厩務員は茶目っ気たっぷりの幸せそうな笑顔をみせた。
(取材・文:花岡貴子)