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不治の病・蹄葉炎に画期的な治療薬登場か

  • 2012年11月15日(木) 19時21分
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カリフォルニア大学デーヴィス校の獣医学研究科はある抗炎症剤が蹄葉炎の画期的な治療法につながる可能性を論文として発表することが明らかになった。この論文はJournal of Veterinary Anaesthesia and Analgesiaの2013年2月号に掲載されるが、ジャーナルの編集部はこの研究成果を出版より先に開示することを許可している。

アロンソ・ゲディス助教授「論文掲載前の発表は異例の措置だが、深刻な蹄葉炎による痛みから開放する唯一の方法が安楽死である現状を鑑み、獣医師や馬主に治療の可能性を知らせることが重要だと判断した」

論文によると、Hulahallaという名のサラブレッド4歳牝馬の症例を挙げている。

Hulahallaは屈腱炎で引退後、幹細胞による腱の治療の研究目的で同校に寄贈されていた。蹄葉炎の発症後は抗生物質や抗炎症剤など、一般的な非ステロイド薬を含む従来の治療法を用いたが、状態は悪化して1日の大半は立ち上がることができなくなってしまった。

従来なら安楽死処分になるところ、同校のブルース・ハンモック教授が40年前に発見した抗炎症性化合物T-TUCBを試みることになった。この化合物はマウスなどの小動物の神経疾患に効果があることは知られていたが、馬などの大型の哺乳類には使用されたことがなかった。

Hulahallaの蹄葉炎発症8日目に静脈にT-TUCBを投与したところ、その日のうちに立ち上がり、自主的に歩くことが可能になった。症状は改善し続け、高かった血圧も低下。その後Hulahallaは1年を通して蹄葉炎の症状は見られず、投薬による副作用なども認められなかった。

蹄葉炎を発症すると生存率は推定で25%と言われている。そして生き残ったわずかな馬たちも、活動レベルが元に戻ると再発するケースがしばしば見受けられる。


【補足】
蹄葉炎はトウショウボーイやサンデーサイレンスなどの著名馬の死因になった病気です。これまでは症状の進行を抑えるのが主で、決定的な治療法はなかったため、不治の病とも言われています。もしも記事の化合物が治療薬として有効であることが実証されれば、多くの競走馬が救われることになるはずです。
ネタ元のURL
http://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/74491/drug-offers-hope-in-laminitis-fight

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