競走馬生活を引退後、故郷の牧場・レイクヴィラファーム(洞爺湖町成香)に帰り、リードホースとして新たな一歩を踏み出した2頭のせん馬(去勢済みの牡馬)がいる。
トリオンフ(6歳)とホウオウドリーム(同)。2頭とも現役時には勝ち星を重ね、中央競馬で一線級の活躍を見せた。せん馬のリードホースは珍しいといい、現役を終えた牡馬の新しいセカンドキャリアの一つとして可能性が期待される。
トリオンフは2016年(平成28年)7月にデビュー。18戦走り、今年の中山金杯(G?)や18年の小倉記念(同)などの重賞3勝を含む7勝を挙げた。屈腱(けん)炎の再発で現役を退いた。
ホウオウドリームはG?を5勝した名牝メジロドーベルの子。17年5月に初戦を迎え、現役時代は18戦して4勝。繋靱帯(じんたい)炎の再発で引退。去勢手術を受けて、リードホースになった。
リードホースとは、人間でいう保育士のような存在で、離乳した当歳から1歳の子馬の群れを見るリーダー的な役割を担う。ある程度頭数がいる牧場で導入しているといい、繁殖を終えた牝馬がなることが多い。
ただ牡の子馬は、成長して男っ気が出てきたり、牝馬のリードホースが力負けする場合もある。同牧場では7年ほど前から、リードホースにせん馬を取り入れ始めた。ただどの馬でも務められるわけではなく、性格など資質も重要という。
2頭は同期で、子馬のときに同じ放牧地で過ごした仲間だ。5月末から仕事を始め、それぞれ1歳の牡馬の群れを率いている。
「2頭ともせん馬のリードホースに育てられたので、仕事を継いでいる形になる。共にうまく務めていますよ」とスタッフの的野裕紀子さん(36)。「当歳や1歳の馬にとっては放牧自体がトレーニング。一線級の馬は刺激になる」と期待を寄せる。
競りなどに向けた写真や動画の撮影にも付き添う。子馬1頭では落ち着きがなくなることもあり、リードホースがそばにいることで、子馬が安心するという。
的野さんは「生まれた時から見ている2頭なので、帰ってきてくれて本当にうれしい」と喜び、今後の活躍を願っていた。
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