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熱中症にかかる馬は14倍に 暑さ対策様々

  • 2020年08月02日(日) 07時11分
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暑さは競走馬の大敵だ。熱中症数だけを見ても顕著で、2000年の中央競馬における発症数が僅か3頭だったのに対し、04年に2桁の10頭に増え、10年に24頭、11年29頭、12年36頭と増加の一途をたどり、17年には41頭にまで膨らんだ。

暑熱対策として登場したのが小倉のパドックに設置されたミストだった。同年夏に運用開始。

その後、ミストは全国の競馬場に広がり、現在設置されているのは札幌(簡易)、福島、新潟、中京、阪神、小倉の6競馬場。装鞍所に設置されているのは札幌以外の5カ所。馬場内の待避所の場合、本州以南の8競馬場全てに設置されている。


そして関係者にも好評だった馬用シャワー。
福島競馬場の北原業務課長の説明では「気温が30度近くなってくると馬シャワーを利用する競走馬も当然多くなってきます。最も使用数が多かった日で、出走167頭中121頭が使用していました」。実に7割以上の馬が利用していた計算になる。

「今までの暑熱対策の多くがレース前のものだったのに対し、馬用シャワーはレース後のヒートアップした体を短時間でクールダウンさせる効果が期待されています」


実際、炎天下を走ってきてレース直後に41度まで体温の上がった馬が、30分の歩行運動だけで調整した場合は約40度までしか下がらなかったのに対し、馬用シャワーを10分程度かけ続けることで、平熱の約38度まで体温が下がったデータもあるそうだ。冷却効果は歴然である。また従来は厩務員が馬を引く間に、もう1人の厩舎関係者がバケツなどの水でクールダウンさせていたが、シャワーがあればスタッフ1人で作業が可能になるのも大きな利点である。

今開催中にシャワー利用を見ようとしたが、悪天候も重なり、なかなかお目にかかることができなかったが、最終日(7月19日)にやっと実際に見ることができた。

この日は朝から晴れ間がのぞき、日差しとともに気温も30度を超えた。待望の真夏日となったのである。

北原課長も「馬は気温が高くない方がよいでしょうけれど、開催を通じて馬シャワーの出番がないというのは寂しいですからね。最終日は夏の日差しで火照った体を馬シャワーで冷やし続けている多くの馬を見ることができました。昨年は武豊騎手にも褒めていただいて関係者にも好評でした。今年から阪神や新潟、小倉でも馬シャワーを取り入れています」と話してくれた。
ネタ元のURL
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62065400Z20C20A7000000/

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